10歳への哲学入門書

なやみちゃん_convert_20171216153422

小学校高学年から中学生あたりに呼びかけた人生相談の本
『10歳の質問箱』(小学館)の新装開店版
『続・10歳の質問箱 なやみちゃん、絶対絶命』(小学館)が重版され、
好評発売中です。

自分はその年齢だった頃、どんなことに悩んだろう?
幾百もの悩みを、日本ペンクラブの作家陣が過去の自分と向かい合いながら吐露し、
それに対して同じく作家陣が今の心で答えるという形になっています。

人は見た目がいちばんだと思います。そう思うのはいけませんか。
とくべつな理由がないのにすごくさびしい気持ちになるのはなぜですか。
差別はいけないという先生がえこひいきをします。どうしたらいいですか。
おっぱいを想像するだけで窒息しそうになります。ぼくはへんたいですか。
なぜ人を殺してはいけないのですか。

などなど、たくさんの悩みに、
浅田次郎さん、森絵都さん、あさのあつこさん、中島京子さん、松原秀行さん、今話題の貴乃花光司さんなど、ボクも含めて44人の作家たち(親方含む)が答えています。

10歳のお子さんには正直、ちょっと難しい内容だと思います。
でも、大人のボクらが読んでも得るところ、発見する概念が多々ある本だと思います。
子どもから大人まで、哲学の入門書としておすすめです。

ペンクラブ「子どもの本」委員長として、前書きも書かせてもらいました。
どうぞご一読下さい。

金井真紀さんにまたやられた。

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また金井真紀さんに気持ち良くやられました。
出版界ではすでに話題沸騰なのでご存知の方も多いでしょうが、
パリで出会った引力を感じるおじさんたちに直撃インタビューを試みた
この「魅惑のおじさんコレクション」はつまり、
「おじさんの生き方コレクション」であり、「人間の価値観図鑑」でもあるのです。

一人一人のおじさんの生き方を読む度に、
人間社会の幅や奥行きなどはもとから決まっておらず、
すべては個人の想像力と実行力にかかっているのだ、ということがよーくわかってきます。
社会からのちょっとした逸脱に悲哀や焦燥を感じている人には
きっと力を与えてくれる本だと思います。

またこの本には別の効果もあります。
読み進めるうちに、いわゆるモンマルトル的なパリのイメージは遥か後方へとおしやられ、
旧植民地と不可分のパリ、移民うずまくパリ、シリアやイラクからの難民を抱えたパリ、
テロが複数回起きているパリ、極右政党の支持者が増えつつあるパリ、といったふうに、
世界が直面している問題が凝縮した街としてのパリ、そこでおじさんたちが何を考え、どう行動しようとしているのか、それもまた真紀さんの柔らかな絵と文章から等身大で伝わってくるのです。

もちろん、世界は今だけではなく、いつの時代も問題に直面していました。
そのような意味では、ホロコーストの惨禍からただ一人生き残った少年(今は高齢のおじさん)の独白や、ボートピープルの妹さん夫婦を亡くしたベトナム人医師の語りなど、強く心を打つおじさんたちの言葉もあります。

しかし一番感じ入るのは、これだけの突撃取材を敢行した金井真紀さんと案内の広岡雄児さんの人間に対する熱意と敬意です。読んでいるうちに気付くのは、「ああ、自分もかつてはこんなふうに人を愛していたかもしれない」という記憶の向こうの手触りでした。その遠いところからの温もりを、少し回復できたような気にもなるのです。

「パリのすてきなおじさん」(柏書房)、すてきなエッセイストによる、すてきなすてきな本です。

年末年始の予定だよ。

火山のめぐみ_convert_20171123203330

こんちは。ドリです。
明日11月24日から朗読劇『あん』の九州公演です。
(出演 中井貴惠 ドリアン助川 音楽 ピクルス田村)
11月24日(金)福岡県福津市文化会館 午後7時開演
11月26日(日)大分県大分市コンパルホール 午後1時開演

そして12月2日(土)明治大学中野キャンパスホール5階ホールにて行われる
シンポジウム『火山のめぐみ』に、映像出演いたします。
火山灰土を好むイタリアントマトが三宅島で栽培できるかどうか。
仮に栽培できたとして、その味はどうなのか。
三宅島の菊地農園さんと東京都農業試験場が協力して下さり、
文字通りの実り多い実験が行われました。
トマトの芽生えから試食会まで、そして現在の三宅島の姿がここで初披露されるドキュメント作品(大川景子監督)に収められています。
入場無料のシンポジウムです。
14時〜18時30分  問い合わせ)明治大学理工学部批評理論研究室 044-934-7275

せっかくですから、年末年始のイベントもお知らせします。

12月2日(土)神奈川県足柄郡山北町立生涯学習センター 13時45分より 講演
12月3日(日)岡山県赤磐市中央公民館 13時30分より 講演
12月4日(月)香川県丸亀市丸亀城西高等学校 13時30分より 講演
12月5日(火)福岡県北九州市若松市民会館 13時30分より 講演
12月6日(水)東京都品川区立総合区民会館  13時10分より 講演
12月7日(木)新潟県長岡リリックホールシアター 14時30分より 講演
12月9日(土)長野県埴科郡坂城町文化センター 14時30分より 講演
12月10日(日)東京都東村山市サンパルネコンベンションホール 15時30分より 講演
12月23日(土)北海道北見市立図書館 15時より 講演

2018年
1月7日(日)東京都東村山市中央公民館 14時より 映画『あん』上映
                    永瀬正敏さんとトークショー
1月20日(土)熊本県熊本市(時間詳細未定)映画『あん』上映 出演者とトークショー
1月21日(日)愛知県犬山市(時間詳細未定)歌劇『クロコダイルの恋』
1月28日(日)早稲田大学大隈講堂 映画『あん』、朗読劇『あん』の二本立て
       (早稲田大学に於ける朗読劇『あん』の最終公演となります)
2月3日(土)北海道旭川市(時間詳細未定)日本ペンクラブ「子どもの本委員会」主催
       シンポジウム『児童書作家は、動物たちになにを託してきたのか』
       出演 あべ弘士 俵万智 ドリアン助川

講演は、小説と映画の『あん』に関した内容です。逆境を生きることから見えてくる人間存在について語ります。北海道から九州まで行脚します。お近くのみなさん、ぜひ会いにいらして下さい。

『星の王子さま』迫る!

表1-obi のコピー

さあ、久しぶりの開運舞台だよ。
ボクとピクルス田村君による『星の王子さま』と、
世界的道化師ユニット『YEN TOWN FOOLs』のきらびやかなパフォーマンス、豪華二本立てです。

11月4日(土)5日(日)、東京は岩本町のEggman Tokyo Eastで、午後7時開演です。
お客様にお得な情報としては、今のところ両日ともにガラガラです。特に5日の日曜日は客席よりも出演者の方が人数が多いほどです。寝転がったりして、好きなポーズで観れます。週末に明確な予定がない方、どうぞいらして下さい。

ドリアン訳『星の王子さま』(皓星社)のサイン会も、人生相談付きで行います。

Eggman Tokyo East 03-5829-6400 http://www.egg-mte.com

明日は選挙ですが・・・

人に実りを与えるのは、大言壮語や意思表明ではない。
そんなものは天気のごとくころころと変わる。
その人がどの方角を向いて、日々どんな習慣を持つのか。
これにつきる。これこそが花や果実をもたらす土壌となる。

政治もまた同じ。
選挙前に政治家が口にする、降ってわいたような言葉はあまり意味を持たない。
どの方角を向いて、どんな習慣を持つのか。
政治家のそこを見て、判断しなければいけない。
では、政治家の習慣はどこに現れるのか。
それは、敵対する議員や記者に対する普段からのものの言い方である。

明日は天気が良くない。
それでも投票に行こう。それぞれが、それぞれの判断で一票を投じよう。
プロフィール

ドリアン助川

Author:ドリアン助川
物語をつづり、詩をうたう道化師です。

ライブ・公演情報
2018年1月28日(日)
朗読劇『あん』
早稲田大学大隈講堂
近刊
「星の王子さま」(皓星社)
「バカボンのパパと読む老子」(角川文庫)
「バカボンのパパと読む老子 実践編」(角川文庫)
「海の子」(ポプラ文庫)
「ピンザの島」(ポプラ文庫)
「坂道 〜Les Pentes〜」(ポニーキャニオン)
「あなたという国 ニューヨーク・サン・ソウル」(新潮社)
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