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今日も『あん』は1位だった!

200221ブログ

みなさんが心配げなこの時期になんですが、
小説『あん』のフランス語版『Les délices de Tokyo』(ミリアンさん訳)が、
Amazon(フランス)の日本文学部門で、
今日をもちまして丸3年、ただの1日も2位以下に落ちることなく1位独走を続けております。

すぐ後ろにハルキ・ムラカミさん、ユキオ・ミシマさん、ジュンイチロウ・タニザキさんなどが集団で追い掛けてきているという超緊張状態が3年も続いているわけですが、一度も抜かされなかったよ!
写真は今現在(2020年2月21日)のフランスでの順位です。
https://www.amazon.fr/…/b…/books/464152/ref=zg_b_bs_464152_1

音楽劇『新宿の猫』初演を終えました!

TOKUZO看板ブログ

レモンチェッロ(三咲順子、ピクルス田村、ドリアン助川)の音楽劇『新宿の猫』の初演にお越し下さったみなさん、ありがとうございました。名古屋TOKUZO満杯となりましたね。みなさんからいただいた力強い拍手の音を忘れません。終演後もたくさんたくさん声をかけていただいて、本当に嬉しかったです。この勢いで、23日の渋谷SONG LINESに臨みます。

そして再演も決定しました。
4月29日千葉本八幡cooljojo、5月10日新宿の『新宿ゴールデン街劇場』昼夜2回公演です。
詳細はまた発表します。

翻訳フォーラム 『新訳』について

翻訳フォーラムブログ

すごいメンバーが集まるよ!
『長くつ下のピッピ』や『ニルスの不思議な冒険』の翻訳家、菱木晃子さん、『シャーロットのおくりもの』を翻訳され、国際児童図書評議会の日本の会長でもあるさくまゆみこさん、翻訳された『星の王子さま』が180万部越えをした河野万里子さん。胸に迫るこの豪華3翻訳者が一同に会し、『新訳』をキーワードにフォーラムを開きます。

2月28日(金)18時30分より約2時間
鉄鋼会館8階 の811会議室です。
(東京都中央区茅場町3-2-10 電話03-3669-4855)
日本ペンクラブ「子どもの本委員会」主催
フォーラム「子どもの本の翻訳」新訳について考える

冒頭で委員長としてのボクのスピーチもありますよ!
入場料1000円、学生500円
問い合わせは日本ペンクラブまで(03-5614-5391)

これからのイベントについて

紹介が遅くなってすいません。2月のイベント、もう済んでしまったものもありますが、とりあえずここ2ヶ月間のボクの出演するイベントの紹介をします。来月からイベントがすこし増えます。お近くの方、お時間が許すようであればぜひいらして下さい。

2月8日(土)
13:00 ~ 15:00 講演「あらゆる人々と共生するために〜小説『あん』で描きたかったこと」
場所)鎌倉商工会議所ホール  
(満員札止めとなりました。ありがとうございます)

同日
19:00 ~ 21:30 対談+レコードショー 文化人類学者辻信一さんと話す 「旅するヴァレンタイン」
場所)カフェゆっくり堂 横浜市戸塚区矢部町125 善了寺内  1000円+ワンオーダー
https://www.facebook.com/events/171369857426079/

2月16日(日)
19:00 ~ 21:00  音楽劇『新宿の猫』with 三咲順子、ピクルス田村(3人揃って「レモンチェッロ」というグループです)
場所)名古屋今池 Tokuzo 052-733-3709 mail@tokuzo 前売3000円 当日3500円
(満杯となりました。ありがとうございます)

2月22日(土)
14:30~16:00 講演「小説『あん』でハンセン病快復者の人生を描いた理由」
場所)岡山県小田郡矢掛町 農村環境改善センター
   無料  0866-82-0848

2月23日(日)
18:30~20:30 音楽劇『新宿の猫』(レモンチェッロ)
場所)渋谷SongLines
(立ち見も含めて完売です。ありがとうございました)

2月28日(金)
18:00 ~ 20:00 日本ペンクラブ「子どもの本委員会」によるフォーラム「子どもの本の翻訳」
委員長として冒頭に挨拶をさせていただきますが、当代一流の翻訳家たちによる「新訳」を巡るシンポジウムです。豊かなフォーラムになるはずです。このイベントについてはまた後日お知らせします。
場所)鉄鋼会館811会議室  
問)03-5614-5391 日本ペンクラブ

3月1日(日) 
日本ペンクラブ「子どもの本委員会」によるフォーラム「子どもたちの未来、子どもの本の未来」。
写真家の豊田直巳さんをお迎えして、神保町の日本出版クラブにて14:00から行います。冒頭、委員長として挨拶させていただきます。
問)03-5614-5391 日本ペンクラブ

3月3日(火) 
講演「あんの余白」+サイン会
(お客さん集まらず、会場変更となりました。寂しい)
18:30~20:00 名古屋朝日カルチャーセンター(名古屋市中区栄スカイル10階)  052-249-5553

3月4日(水) 
講演「France-Japon, sensibilités sans frontières」
(日本とフランス、国境を越えてつながる心)
18:00~20:00 日仏会館(恵比寿) 一般1000円 学生500円

3月6日(金) 
対談・朗読(関西弁)『コーヒーカップの耳』
19:00〜 詩人であり、文化人であり、おいしいコーヒーを淹れて下さる著者の今村欣史さんをお迎えし、阪神地区の文化について対談。そして今村さんの作品をボクが関西弁(神戸弁)で朗読します。
場所)神保町ブックハウスカフェ   
本代、ドリンク代込みで5000円

3月7日(土) 
講演「私たちはなぜ生まれてきたのか〜小説『あん』でハンセン病快復者の人生を描いた理由」
14:00 ~16:00 静岡市葵区 もくせい会館 サイン会あり 一般500円   主催)静岡図書友の会 080-6910-9434

3月8日(日) 
講演「小説『あん』で伝えたかったこと」
13:30 ~ 15:30 長野県木曽町文化交流センター 無料 
申し込み 木曽福島23-2000

3月13日(金) 
映画『あん』上映とトーク
会場:熊本市男女共同参画センターはあもにい 
(熊本市中央区黒髪3-3-10)
「あん」上映は、11:10/ 13:20/ 16:00の3回
トークショーは、
2回目の上映後15:20~15:50、
3回目の上映後18:00~18:30の2回です。

3月14日(土) 
講演 名古屋別院

3月15日(日) 
映画『あん』上映+ミニ講演
13:30~ 岐阜県土岐市文化プラザ サンホール 
主催)土岐市地域医療連合会

3月17日〜25日 セルビアのベオグラード大学で講義

3月28日(土) 
講演「積極的感受について」 無料
13:30~15:30 千葉県 山武市役所 大会議室  
主催)千葉いのちの電話  043-222-4416

ドミニク・チェンあらわる!

ドミニクブログ

圧倒されている。
芯から倒され、抱きしめられた気分だ。

自ずから立ち上がることを運命付けられていた知の巨人が、
子ども(娘さん)の誕生をきっかけに、さらに新たな地平へと歩みだしたその一歩ずつの輝き。

本当の意味での「コモンウエルズ(国民という意味ではなく、大きな意味での連帯、福祉、公共性)」への道程をこんなにも説得力をもって展開した本がかつてあっただろうか。

いや、「かつて」という言葉はあり得ない。進行するしかない「今」、生まれでる「時」の先端で火花を散らしているのが著者のドミニク・チェンだから。

まだ観ぬ地平と大いなる共感。双方があって表現は初めて芸術になり得るのだとボクは信じている。そのような意味では、この『未来をつくる言葉 わかりあえなさをつなぐために』(新潮社)は、本という表現形式を軽く飛び越え、今この時代の難しさを起点とするしかない芸術のその頂きに達している。

デジタルの専門家ゆえ、すこし歯応えのある言葉がないとは言いきれないが、文章の質としてはむしろ詩人や、開高健のような密度濃いテキストを好んだ作家に近い。
いや、本当に驚いている。そして感動している。

ボクは普段から学生たちに、表現をしなさいと繰り返し言っている。レポートひとつ書くのもルーティンの作業ではなく、ひとつの表現だと思いなさいと言っている。なぜなら人は、どんなジャンルであれ、表現をすることによって主体足り得るからだ。誰もがそれぞれの人生の主役であるけれど、
それをより明確にするのが(表舞台に立つ立たないではなく)、各自の場での各自の表現なのだ。

抜き書きをすると、ドミニクはこう記している。
「書くことによって、世界はただ受容するものであるだけではなく、自ら作り出す対象でもあるとわかったのだ。そして、世界を作り出す動きの中でのみ、自分の同一性がかたちづくられるのだということも」

共感を覚えるこうした記述が本書には方々にある。
たとえばボクは、米国から帰ってきたあと、あまりに自分の本が売れず生活に四苦八苦するばかりなので、何かを所有するという人生を諦めたときがある。しかしその瞬間、世界が逆に飛び込んできた。
所有という錯覚ではなく、在るのはただ世界との関係のみだとはっきりわかったのだ。目の前の多摩川の河川敷はだれのものでもなく、しかし感受するという関係に於いて自分のものとなった。所有を捨てた瞬間に「マイ多摩川」が現れ出た。パブリックとはおそらくこういうことを言うのではないか。

似た感覚を、ドミニクも新婚旅行を兼ねたモンゴルの旅で得ている。奥さんと二人で馬に乗って草の海を旅し、遊牧民たちと交流するなかで、所有という概念を捨ててしまった人たちのとてつもない包容力と視野の広さについて語っている。
ここ、凄く共感。

トミニクは、デジタル世界の未来から、親子や友人、あるいは敵対するものとの共棲の解法として常に「関係性の哲学」に注目し、新たな道を切り拓こうとする。本書がフィーチャーしているのは、グレゴリー・ベイトソンの思想だ。
どこかで『悲しき熱帯』のレヴィ=ストロースを彷彿とさせるベイトソンは、しかし思想の鏃が文明批判へと向かうのではなく、世界の事象の関係性の上に立つ生命観へと人生の熱情を傾けていく。

ドミニクはこのベイトソンに影響を受けつつ、彼の手法である「メタローグ」(共話)から、解法が見えなくなり始めた「わかりあえない者」たちにどう橋を渡すかをフィードバック的に導き出そうとする。
とにかく、この本にはやられました。
つまり、ドミニク・チェンにやられました。
なんと気持ちよくノックアウトされたのだろう。
知を信じ、平和の礎になろうとする人にとって必読の書です。
プロフィール

ドリアン助川

Author:ドリアン助川
物語をつづり、詩をうたう道化師です。

ライブ・公演情報
2019年8月21日(水)
名古屋栄
Doxy
近刊
「水辺のブッダ」(小学館)
「新宿の猫」(ポプラ社)
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