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東京湾の夕陽

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これが東京湾の夕陽です。

観音崎沖では。

東京湾180629_convert_20180701121755

東京湾口までは真夏の晴天が続いていたのですが、
湾内に入り、左に観音崎を見るあたりから空が変わりました。
幻想的な風景の中、巨大な貨物船とすれ違いました。

梅雨明けの三宅島(三池港)

三宅出港180629_convert_20180701121724

6月29日、関東地方は梅雨が明けました。
三宅島から東京に戻るその日です。
空の青、海の青が眩しくて、夏の始まりを感じさせました。

黄色い船(橘丸)で6時間半かけて竹芝に戻ります。

念願のトマト販売を始めます。

サンマル2017_convert_20180620183919

みなさん、お待たせしました。
2000年の三宅島大噴火の時からずっと考え続けていたこと。
そして、2016年から三宅島に居を構え、
農園や農業試験場のみなさんと実地で取り組んできたこと。

火山灰を好むイタリアの美味なるクッキングトマト「サンマルツァーノ」を三宅島で栽培し、
なんとか復興につなげられないか。

昨年の実験栽培は豊作でした。
そして、本当に本当に美味しかった。
糖度ではなく、旨味のかたまり。
イタリアと三宅島の合作、宝石のような「三宅サンマルツァーノ」が誕生しました。

そこで今年から、計400苗という限られた量ではありますが、
予約販売を受け付けます。
三宅島で唯一、
この「三宅サンマルツァーノ」を栽培してくれている
菊地農園さんの特別ホームページをご覧ください。

なお、本来、こんなことはここで語る必要はないのですが、
よく「儲けてください」と言われるので、ひとことだけ。

ボクの夢は、この素晴らしいトマトの栽培が三宅島でスタートすることでした。
そしてみんなが美味しいトマト料理を前にして笑顔になることでした。
それだけです。
この事業では、1円もいただきません。
「三宅サンマルツァーノ」の利益は三宅島の農園のみに還元し、
その驚愕のうまさは、買ってくださった方のみに届きます。

三宅島復興の一助として、そして豊かでロマンチックな食彩のために、
「三宅サンマルツァーノ」、心からよろしくお願いいたします。

このトマトが欲しい方は、こちらをご覧ください。「三宅サンマルツァーノ」

都立三宅高校野球部

三宅野球部ミニ

機会があれば読んで欲しい一冊があります。三宅島の都立三宅高校の社会科教員であり、三十年以上にわたって野球部の監督を務めていらした山本政信先生と部員を巡るドキュメンタリーです。

ボクが、三宅島の復興の一助になればとイタリアントマトの栽培を訴え、そして自分自身の夢のために島に居を構え、東京と往復する生活をスタートさせて2年になります。この間、島にほとんど知り合いがいない自分を支えてくれた一人が山本先生でした。

離島の高校の野球部です。遠征がままならないため、練習試合もできません。年に一回だけの試合、それが神宮球場での夏季大会での初戦です。少人数ゆえ、皆が頑張り過ぎるくらい頑張り、毎日15キロ走り込む猛者もいる三宅高校野球部です。でも、東京の人の多さを見ただけで具合が悪くなる部員もいます。

頑張っても、頑張っても、一勝できるのは十年に一回です。ほとんど毎年、初戦コールド負けです。小指を骨折してしまったピッチャーが延々と投げ抜き、どうにもならなくなったとき、経験のない選手がマウンドに立ってしまうのが三宅高校の野球部なのです。

遠征費もままならないため、彼らは初戦で負けた夜に、竹芝桟橋からの船で島に帰らなければいけません。桟橋での三年生それぞれの挨拶が、その年度の解散式になります。泣きじゃくる三年生たちに山本先生は言います。

「君たちの実力はこんなものだったのだよ。それを知りなさい。野球にはコールド負けがある。でも、人生にコールドゲームはないんだよ。どんなに苦しくたって、どんなに辛くたって、人生にコールドゲームはないんだよ。だから、くじけることなく、あきらめることなく、生きていかなければならないんだよ」

ボクは、トマトが島の復興につながればという思いで飛び込んだとき、本当に不安でした。今でもわかってもらえない孤独はあります。だけど、山本先生のような数人の島民に励まされてここまで来ました。

たぶん、ボクも山本先生の一人の教え子なのです。

くじけることなく、あきらめることなく、火山灰だからこその激うまトマトを信じているのです。そしてとうとう今年、一つの農園が少々の商いができる程度の苗が育ちました。

5年間の全島民避難の時も含め、山本先生が生徒や野球部員たちとどう生き抜いてきたのか。読んでいる間、何度落涙したかわかりません。でも、この一冊は紛れもなく、たぐい稀な希望の書なのです。
『灰とダイヤモンド』(平山讓著・PHP文芸文庫)
プロフィール

ドリアン助川

Author:ドリアン助川
物語をつづり、詩をうたう道化師です。

ライブ・公演情報
2018年9月29日(土)
朗読部ライブ
Eggman Tokyo East
近刊
「カラスのジョンソン」(ポプラ文庫)
「星の王子さま」(皓星社)
「バカボンのパパと読む老子」(角川文庫)
「バカボンのパパと読む老子 実践編」(角川文庫)
「海の子」(ポプラ文庫)
「ピンザの島」(ポプラ文庫)
「坂道 〜Les Pentes〜」(ポニーキャニオン)
「あなたという国 ニューヨーク・サン・ソウル」(新潮社)
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