初めて文学賞をいただきました。

フランスの本屋_convert_20170608143546

フランスのDOMITYSという文学賞を『あん』(仏語タイトル『Les délices de Tokyo』)が受賞しました。
あまり知られていない文学賞ですね。
フランス中の老人ホームの読書クラブと評論家、書店員が投票によって選出する賞でして、
最終5冊の候補から、
なんと46%という得票率で受賞しました。

日本人にとってはまったく無名の賞でありますが、
この賞を得たアジア人はボクが初めて、
なおかつ、昨年の受賞者はピューリッツア賞にも輝いた!
というあたりがわくわくするポイントです。

老人という言い方・・・。
あまり好きではありません。
だって、今の70代80代のフランス人は、カルチェラタン闘争を率い、
ヌーベルバーグの支持層として世界を再構築されようとしたみなさんです。

そして今は、人生経験も豊富。
そんなみなさんが選んで下さったのですから、
だれも知らない賞であろうと、
ボクはありがたく受け取ります。

フランスのみなさん、ありがとう!
そして、翻訳をして下さったミリアム・ダルトアさん、ありがとう。

ちなみに、二冊目の『Le Rêve de Ryosuke』もフランスでは破格の扱いのようです。
Haruki Murakamiさんなんかと並んでいますもんね。
ありがたい!

共謀罪について

組織犯罪処罰改正案、いわゆる「テロ等準備罪」、すなわち「共謀罪」について、みなさんはどう思われますか。

欧米でここまでテロが勃発するようになったのだから、オリンピックを控えた日本は対策に本腰を入れなければいけない、というのが改正案を審議する動機になっているようですが・・・

反体制的な謀議をはかる、あるいはそれを思考した記録を残しただけで罪に問われるというこの法律は、たいへんあぶなっかしい、『星の王子さま』でいうなら、やがては惑星を粉々にしてしまうバオバブの木のたとえのような危険性をはらんでいます。

もちろんたいていの人なら、そこにどんな理由があろうとテロを許しはしません。それは通常の感覚で、取り締まれるものは取り締まっていただきたい。日本の公安は実によくやっています。ボクらのバンドがかつて、長崎の本島市長と同じ壇上で歌ったというだけで楽器車のなかまで寄ってたかって写真を撮りにきましたから。そのセンス、バツグンです。

しかし、今回のすなわち「共謀罪」は、その範疇を離れ、大きく逸脱する可能性を持っています。単純な話、ボクが反権力、反体制的な物語を書き、それが政府にとって「けしからん」となれば、連行されることもあり得るのです。

官房長官は、「普通の人には関係がない」とおっしゃいましたが、文章を書いている以上、監視対象下に置かれる可能性はあるのです。ばしばし写真も撮られていますし。

「共謀罪」は、国有地が次々とただ同然、あるいは極めて廉価な値段で特別な人々へ譲渡される事件での共謀については振り向けられることがないでしょう。しかし、それについてボクらのようなものたちが文字を起こそうとしたとき、立ちはだかる可能性がある法律なのです。国民すべてに向けられた法律ではなく、権力者側から国民に向けられた法律。

小林多喜二は「蟹工船」を書いたから検挙されたのではなく、特高警察による拷問の事実を書いたからこそ虐殺されました。法の名のもとに。道徳の教科書で郷土愛が足りないとして「パン屋」が認められずに「和菓子屋」になったり、殺傷技術を競う「銃剣道」が突然中学体育の選択科目になったり、驚くことが次々起きている今、「普通の人には関係がない」という言葉を信じることができないのです。

ボクの友人には与党野党いろいろいますし、がちがちの保守もいます。それぞれの意見があるところでしょう。ただ、率直にボクは思います。みながそれぞれ監視し合い、真綿で首をしめていくような時代が近付いているのではないか。それはボクらが望んだ日本なのだろうか。この法律については、撤回していただきたいと思います。

『ky』in 三宅島

ky三宅中学_convert_20170608143826

4月後半に三宅島を訪れてくれた『ky』の二人。
ブルターニュ在住、サックスの仲野麻紀さんと
ギターのヤン・ピタールさんによるジャズ・ユニットです。

ボクは昨年、この二人にほんとうに助けられてフランスでの講演などを行うことができました。
表現者としての尊敬がベースにある上、生きていく上でも恩人のお二人です。

三宅島では café Canon にて熟成のライブを。
そして島内唯一の三宅中学校では、子供たちとのセッションも含む
地球を軽やかに転がすようなライブを展開してくれました。

麻紀さん、ヤンさん、ありがとう!

こんなのもつくってもらいました。

台北サイン会ボード_convert_20170608143655

台北のサイン会では、版元の博識図書さんがこんなボードもつくって下さいました。
ありがたいことです。
台湾では『あん』『ピンザの島』『多摩川物語』の3冊が翻訳刊行されました。
読者のみなさんとまた会えますように。

遅くてごめんなさいレポート「台北サイン会」

台北サイン会_convert_20170608143625

むちゃくちゃ遅いレポートで申し訳ないのですが、
4月22日(土)、台北で初のサイン会を催してもらいました。
日本で言うなら、下北沢のB&Bのようなこじんまりとした書店で行われたトーク&サイン会。
雨降っていたし・・・ちょっと人数はふるいませんでしが、
版元の博識出版さんや書店員さんらから至れり尽くせりのご配慮をいただき、
トークショーなどはそれなりに盛り上がったのでした。

なお、写真撮影はいっしょに旅をした娘(もうじき25歳)なり。
プロフィール

ドリアン助川

Author:ドリアン助川
物語をつづり、詩をうたう道化師です。

ライブ・公演情報
7月23日(日)
まちジャム
多磨全生園

7月29日(土)30日(日)
星の王子さまミュージアム(箱根)
近刊
「星の王子さま」(皓星社)
「バカボンのパパと読む老子」(角川文庫)
「バカボンのパパと読む老子 実践編」(角川文庫)
「海の子」(ポプラ文庫)
「ピンザの島」(ポプラ文庫)
「坂道 〜Les Pentes〜」(ポニーキャニオン)
「あなたという国 ニューヨーク・サン・ソウル」(新潮社)
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