試写会、とっても良かったです。

俺、今日になって、涙が止まらないのです。
昨日、映画「あん」の試写会がありました。
本当に素晴らしい作品を河瀬監督が作って下さいました。
樹木希林さん、永瀬正敏さん、希林さんのお孫さんの内田伽羅さん、市原悦子さん、その他たくさんの俳優さん、スポンサーさん、スタッフさんが一年に及ぶロケに全精神をかけて取り組んで下さり、世界中のどこに出してもきっとスタンディング・オベーションになるであろう誇り高い作品が生まれました。
昨日、試写会が終わって、ボクは原作者ですからそれなりのインタビューもあり、
裏方の皆さんと朝まで飲みました。
感謝の心でいっぱいなのはもちろんのこと、
その時点まではずっと笑顔だったのです。
でも、今日になって、なんかもう、決壊しました。
なめくじみたいになっています。
3年かけて書いた原稿を大手からは拒絶されたのです。
どんなに良くなっても、この作品は本にしないと言われました。
その夜、ボクとその出版社の縁は切れ、
まさに千太郎のように酒に酔ってさまよい歩きました。
だって、元患者の皆さんと本にするって約束していたから。
でも、しばらくしてから、
友達のマリオまんだらがポプラ社に一人、
心がある人がいるよって言ってくれて、
そこでようやく原稿を読んでもらうことになりました。
すべてはそこからなのです。
「あん」は捨てられ、拒まれた原稿でした。
それが今、映画になり、世界中の人に受け入れられようとしています。