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剪定されなかった桜

全生園桜_convert_20150404222916

 学生たちとの東北での言葉を巡る旅(「東北発✩情熱塾」NHK-Eテレ5月毎週月曜放映)を終えたあと、小説の締切があったり、娘の社会人としての出発があったり、小説「あん」に登場する吉井徳江のふるさと:愛知県新城市で行われた「全国さくらシンポジウム」でのゲスト出演での河瀬監督との対談があったりで、サイトを含め、更新ができない日々が続きました。ごめんなさい。

 ただ、やることはやっていました。映画「あん」と平行して、朗読劇「あん」を女優、中井貴恵さん、ギタリスト:ピクルス田村くんとやっていきます。そこで背景に映す写真を撮りに、ハンセン病療養所の全生園に出掛けました。

 ご覧下さい。これがいっさい剪定をされなかった本当のソメイヨシノの枝振りです。すべて元患者の皆さんの植樹による命です。らい予防法により、病気が完治しても囲いの外に出られなかった元患者さんたち。せめて桜だけは自由に伸びてもらいたいと、いっさい枝を切ることをしなかったそうです。その結果がこのジャングルのような桜並木。ボクたちはどこかで、桜という生命を誤解してきたのかもしれません。

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剪定という虚勢

あらゆる木々の
自然の力に任せるということは
人の暮らしに 邪魔になる というだけで
整え…という名の 去勢を施される
烏滸がましさを感じます
「暮らしやすさ」という 型枠に 嵌め込まれて 苦しい思いをしている存在が
少しでも 安らぐ 暮らしが 
本当の 心地よさであるということ
それが 結ばれる世で あるよう
助さんの はたらきが
すこしでも そのきっかけになりますように

確かに桜並木とは明らかに違う
のびのびと力強く美しい桜の木々ですね。

一説にはソメイヨシノの寿命は50~60年とも言われますが
実は樹木に寿命は無いそうです。
若木の勢いこそ無くなるものの
環境さえ整えばいくらでも生き続けていけるのだそうです。

是非この桜たちには後世までずっとずっと自由に生き続けていってほしいですね。
そして樹木に思いを託した人々のために
みごとに咲き誇り続けてほしいと思います。
プロフィール
作家・歌手・明治学院大学国際学部教授

ドリアン助川

Author:ドリアン助川
物語をつづり、詩をうたう道化師です。

近刊
「寂しさから290円儲ける方法」(産業編集センター)
(2023年5月23日刊行予定)
「動物哲学物語」(集英社)
(2023年10月26日刊行予定)
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