ピーターパンのようなヴァイオリニスト

写真左上の青年に注目!
ヴァイオリニストの西村尚也さんです。
ドイツ、マインツ・フィルの第1コンサートマスター。
1月11日(日)、よみうり大手町ホールで行われた東京ヴィヴァルディ合奏団のニューイヤーコンサートに行ってきました。『四季』全曲の演奏で、ゲストとして独奏したのが西村さん。
妖精と出会えたように、素晴らしかった。
指揮者がいなかったらから自由にやれたと本人はおっしゃっていましたが、なにかこう、演奏家というよりは、音から生まれた体、ヴァイオリンそのものになってしまった人間と出会った感じ。音楽の歓びが人の形として現れ、全身が(いや、その全身に宿るすべての微生物さえも)音符となって、今生命を得ていることの歓喜を表現しているような瞬間、瞬間、瞬間だったのです。
ジャンルを越えてボクはいたく励まされました。
人間は、こんなに幸福な表現者になれるのだと。
もちろん休むことなく研鑽を続けてきた人だけに可能な、
チョモランマの山頂のさらにひとかけらの突起のような
人跡未踏に近い技術を修得されたからこその「音身一体」だったのかもしれませんが、それを目の前で見せてもらえる(聴かせてもらえる)ボクや他のお客さんたちは、月の粉が輝きながら降ってきたような、大変たいへん幸せな時間のなかにいたのです。
西村尚也さん、これからも大注目です。
次回は「カンタ・トリオ」ね。
8月29日、サントリー・ホールね。
なるほど、なるほど。
高校時代の恩師の息子さんなんですけどね。
最初の縁はそこにあったんですけど、
もうそれは全然関係ないことです。
ピーターパンがヴァイオリニストだったら、
こんなふうだったんじゃないかな。