だんだん難しくなってきた。

サン=テグジュペリから母親へ宛てた手紙、だんだん難しくなってきた。
家族間の暗黙のことが代名詞で置き換わっていたりして。
あと、キリスト教の知識がないとお手上げですね。

4.           フリブール、ヴィラ=サン・ジャン 1917.5.18 金曜日
ぼくの大切なママへ

 素晴らしい天気です。昨日降ったのを除けば、ほとんど雨を見ることがないのですから!

 ボンヌヴィ婦人に会いました。フランソワ(弟)のことを教えてくれました。かわいそうな奴です。それからぼくはバカロレア(大学入学資格)に関して、すべてきちっと行っていると教えてくれました。ほっとしました。でも、ぼくの書類が送付されたかどうかを知るために、ママがパリまで手紙を書いてくれたのが無駄になってしまいましたね。ぼくはしっかりやったのだから、書類が到着したことをリヨンまで知らせておくべきでした。それを忘れてしまったのです。だけど、終わりよければすべてよしと言いますし・・・。

 昨日ぼくらは、シャルロと散歩に行きました。ぼくらが三人なので彼を入れて(3+1=4)ということです。
 パントコート(聖霊降臨の日)の週は、ルツェルンよりちょっと離れたところで、ぼくたちの年度末の瞑想会をやります。
 親愛なるママ、さよなら。心からのキスを。
                        あなたを敬愛する息子より
                              アントワーヌ


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やっぱり、文字の力ってすごいですね。
まず、手紙の中にアントワーヌの気持ちが詰まっていて、読んだお母さんの心を動かす。
そして、それを翻訳しようとドリアンさんの心も動かし、それを読んだ読者が、また、感動する。
拝読した瞬間、いろんな感情が頭を駆け巡りました。
そして、なにより、ブログでこの手紙を読むことが出来る自分って幸せだなー!と思いました。
プロフィール

ドリアン助川

Author:ドリアン助川
物語をつづり、詩をうたう道化師です。

ライブ・公演情報
11月4日(土)5日(日)
「星の王子様と道化師の惑星」
Eggman Tokyo East
YEN TOWN FOOLsとの合同公演です。
近刊
「星の王子さま」(皓星社)
「バカボンのパパと読む老子」(角川文庫)
「バカボンのパパと読む老子 実践編」(角川文庫)
「海の子」(ポプラ文庫)
「ピンザの島」(ポプラ文庫)
「坂道 〜Les Pentes〜」(ポニーキャニオン)
「あなたという国 ニューヨーク・サン・ソウル」(新潮社)
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