糸魚川に行ってきました。

先週末、糸魚川の火災現場に行ってきました。市の中心部が消失してしまったため、みなさん本当に困り果てています。奥の細道を自転車で旅したとき、むちゃくちゃお世話になった街でもあります。糸魚川のみなさんのため、そしてボクたちのためにも、いくつかの具体的なアイデアがあります。詳細決まったら、ここで発表させていただきますね。
さて、これから三宅島に行きますが、本州に帰ってきたらイベント続きですので、あらためて発表させて下さい。
(写真は三宅島の明日葉の畑です)
朗読劇「あん」の公演。
1月29日(日)午後2時より、早稲田大学大隈講堂です。
出演は中井貴惠さんとボク、ギターはピクルス田村です。
問い合わせは、オンザフィールド050-5525-1493まで。
早稲田大学のサイトでも紹介されています。
https://www.waseda.jp/culture/news/2017/01/19/2802/
第一部は、中国のハンセン病村で道やトイレを作り続けている学生たち「橋」とのシンポジウム。そして、講堂ロビーでは、世界のハンセン病患者を撮り続けているフォトグラファー、富永夏子さんの写真展を開催します。
「星の王子さまとサン=テグジュペリについて語り合う」
1月31日(火)午後8時より下北沢の本屋B&Bです。
管啓次郎+ドリアン助川
「2人の訳者と読みなおす『星の王子さま』」
『星の王子さま ドリアン助川訳』刊行記念
当日はボクの日本語の朗読と、管さんのフランス語の朗読を交え、
星の王子さまが生まれた時代への考察や
サン=テグジュペリの人生について語り合いたいと思います。
詳細、申し込みはこちらです。
http://bookandbeer.com/event/20170131_bt/
本屋B&B 世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F
午後8時〜10時 (午後7時30分開場)
1500円+1ドリンクオーダー
2月になるとフルライブがあります。
茨城県東海村でのアルルカンのライブ!
「命たちよ 生きてゆこう!」と題されたこのライブの主催者は小説「あん」の英語版翻訳者アリスン・ワッツさんです。
2月4日(土)午後2時より 東海村産業・情報プラザ「アイヴィル」にて。http://www.vill.tokai.ibaraki.jp
ちょっと長くなりますが、東海村で明日「あん」の上映があり、そこでアリスンさんが登壇されます。彼女が読んでくれるようにメッセージを書きましたので、それをここで紹介します。
東海村のみなさん、こんにちは。
映画「あん」をご覧になって下さり、ありがとうございます。
原作者のドリアン助川です。
病と差別の絶えることのない逆境と闘い続けながら、人の生きる意味を問おうとした一人の女性の物語。私がこの「あん」という物語を書こうと決意したのは、今から20年以上も前、「らい予防法」が廃止され、元患者さんたちの苦難の人生が明るみに出だしたときです。
しかし、実際に書き始めるまでは長い時間がかかりました。ハンセン病について勉強もしなければなりませんでしたし、執筆に向かう勇気もなかなかわいてきませんでした。元患者さんたちとの出会いがなければ、この物語は具体化しなかったと思います。
元患者さんたちと出会ったのは、私の本業であります舞台の仕事です。絶望と憎しみのなかで、最後の最後に生きることの喜びを見いだした一匹のワニの物語、「クロコダイルの恋」という作品です。
この舞台を観に来て下さったハンセン病の元患者さんたちと言葉を交わしたことにより、のちに「あん」を書くことにつながる様々な取材が始まったのです。
映画「あん」はカンヌ国際映画祭のオープニングフィルムを始め、五十カ国以上で上映された世界的な作品となりました。小説「あん」も昨年、ドイツ、フランス、韓国、台湾で出版され、フランスでは外国文学の人気一位の作品となりました。そして今年、英国、イタリア、ベトナム、中国で刊行されます。その英国版を訳して下さったのが、2月4日、東海村で私たちが行いますライブ「命たちよ、生きていこう」の主催者であるアリスン・ワッツさんなのです。そして、アリスンさんとの出会いもまた「クロコダイルの恋」を観ていただいたことに始まるのです。
「クロコダイルの恋」は昨年、フランスでも公演してきました。大人も子供も楽しめる作品です。この作品から生まれた「クロコダイルとイルカ」という絵本があり、絵本専門図書館の利用者が投票で選ぶ「けんぶち絵本の里大賞」も受賞しました。この絵本の原画を背景に映しながら、物語は進行します。
どうぞ、アルルカンであるドリアン助川とピクルス田村の語りと歌と音楽を目の前で楽しんで下さい。生きることに辛さを抱えていらっしゃる方も、どこかに光を感じることができる作品だと信じています。
また、「クロコダイルの恋」のあとで演じる「新・奥の細道」は、2012年に松尾芭蕉が歩いた「奥の細道」の全ルートを私が自転車で辿った記録です。放射線量計を片手に、芭蕉が俳句を詠んだ場所はどれだけ被曝したのか。その数値を測りながら、さまざまな人たちと出会う旅になりました。そのときの模様を、語りと写真で届けます。
翻訳者であり、「命たちよ、生きていこう」の主催者であるアリスン・ワッツさんは、誠実で希望にあふれた人です。アリスンさんが小説「あん」の翻訳だけではなく、「クロコダイルの恋」の茨城県初上陸のために奔走して下さったことは生涯忘れません。
どうぞみなさん、会場でお会いしましょう!
ドリアン助川