海の子

新刊『海の子』(ポプラ文庫)の紹介をさせてください。
海釣りと魚料理の醍醐味、一匹の魚の味に秘められた人間模様を中編四話に仕上げています。
八年前、単行本『花鯛』(文藝春秋)として出させていただいた一冊です。現在の力で(成長したのか劣化したのかはともかく)、それぞれの物語をブラッシュアップしました。第一話の『花鯛」は結末が変わっています。
二十代から三十代にかけて、ボクは海釣りと魚料理に入れあげました。今は小坪の鮎丸という船に年に一度乗るかどうかの書斎フィッシャーマンになってしまいましたが、休日とあらば海に出ていた頃の情熱がこの四編の物語『花鯛』『オニカサゴ』『寒平目』『甘鯛』に昇華しました。
秋の夜長、燗などつけつつ、海釣り小説はいかがでしょう。