「坂道 Les Pentes」

初の長編詩写真集「坂道 Les Pentes」(ポニーキャニオン)を上梓します。
オールカラーの写真集で、詩は日本語、英語、フランス語の3言語併記。
そして、ボクの朗読以外にも、ネイティブによる英語とフランス語の朗読が入ったCD(60分)がつきます。
この数年間は、旅先の南フランスとイタリアで、坂道と階段の写真ばかりを撮っていました。
きつい坂を見つける度に、またその坂を登る人を見る度に、カメラを向けていたのです。
少し苦しいことのあった過去の自分を思い出していたのかもしれません。
あるいは、運不運に左右されない力強い人間の歩みをそこに見ようとしたのかもしれません。
いずれにしろ、坂や階段とだぶらせていたのは、ボクらのこの「life」「la vie」というものでした。
この「坂道 Les Pentes」に登場するのは、
一人の無名の画家の人生です。
難しい表現も、気取った言い回しもありません。
本当にシンプルに、ある画家の人生を飾らずに淡々と表記しただけです。
しかし、今のボクにとっては一番大切な言葉が、ここには登場します。
ほとんど坂道と階段ばかりの写真集ですが、光が鮮やかです。
また、朗読の背景となる音楽は透明で、素晴らしいです。
音楽監督は「叫ぶ詩人の会」のコンポーザー、きりばやしひろき。
ギタリストに、アルルカンのピクルス田村。
英語への翻訳、朗読は、
ニューヨーク時代のバンド「アンド・サン・スー・チー」のベーシスト、Geoff Hash
フランス語への翻訳、朗読は、
アテネ・フランセで一番やさしかった鴨川のイケメン、Ivan Grandeclément です。
誰もの人生が、坂や階段の連続なのかもしれません。
でも、登り切れない「Les Pentes」はない。
周囲に目をやれば、味わい深い光景が広がっています。
表紙の一番大きな写真は、マルセイユの一番高い丘から地中海を見下ろしたところ。
サン・テグジュペリが散った海です。
「坂道 Les Pentes」(ポニーキャニオン)
5月25日の発売予定です。(Amazonなどでの予約は始まっています)
http://news.ponycanyon.co.jp/2016/03/13135