縁あって帯コピー

ものすごくおもしろく、味わい深い本を紹介します。
詩人であり、酒聖であった草野心平さんが開かれた「酒場學校」。
カウンターだけで、椅子は6つだったかな?
まぎれもなく新宿ゴールデン街のひとつのオアシスであったこの酒場は、
ドアを開けると心平さんの笑顔の写真と、
上品でやわらかな禮子ママの微笑みが並んでボクらを迎え入れてくれました。
禮子ママの年齢もあり、この「酒場學校」が閉校したのは二年前です。
でも、アルバイトで週一ママをつとめていた金井真紀さんが
とてつもなく滋養に満ちた本として、
このバーの扉をあらたに開けてくれました。
中身は、學校に通い詰めたみなさんの言行録。
心平さんと禮子ママの人生。
昭和の記憶。
詩。
そしてたぐいまれな観察眼とユーモアを持ちあわせた金井真紀さんの
満月のような心そのものです。
縁あって帯カバーの言葉を書かせてもらいましたが、
裏面にはこうあります。
「ページをひらくと、いい夜がやってきます。
さあ、ここに座って、読んで飲みなよ」
酒場好き、本好きにとっては必携の一冊。
文章のおもしろさに加え、真紀さんのイラストがあたたかです。