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みんなに やさしく

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翻訳をさせてもらった絵本『みんなに やさしく』(イマジネイション・プラス)が今週24日発売となります。
おもしろ授業付きのサイン会も6月1日(つつじヶ丘・飛鳥書店)に行います。

原題は、『BE KIND』という米国の絵本です。
『しんせつに』ではちょっと内容が違うなあというのが初めてこの絵本に触れたときの印象でした。

教室のなかで友だちがグレープジュースを服にぶちまけてしまいます。
服がむらさき色になってしまった友だちを教室のみんなが笑います。
主人公の女の子は、そのときいつもママに言われている『人にはやさしく』という言葉を思い出します。

しかし、この子は逡巡しているうちに、
『やさしく』という言葉の意味がだんだんわからなくなってきます。
事態は思わぬ方向へ。
そしてイメージは教室を飛び出し、全世界の人間の行為へと広がっていきます。

その結果、彼女がとった行動は?
そしてそれを受け取った友だちは?

一歩間違えば、あやしい道徳の教科書になってしまいそうな題材ですが、
誰にでもこの種のことで悩んだ経験はあると思いますし、
この絵本ならではの可愛いラストシーンが最高です。

もちろん『米国よ、他国にもっとやさしくな』という言葉はボクの胸にも浮かびましたが、
お子さんがいらっしゃる方は、ともに考える材料として一冊あっていい絵本かもしれません。
昨年はニューヨーク・タイムズ、シカゴ公共図書館などがベスト絵本の一冊として選びました。

先日、刊行前の、頁がバラバラの校正用原稿を紙芝居のように広げて、
三宅島の三宅小学校の1、2年生を相手に授業をしてきました。
サイン会では、大人も子どもも大歓迎。
島での授業を再現します。ぜひいらして下さい。

6月1日(土) 飛鳥書店(調布市西つつじヶ丘3-28-10)
おもしろ授業付きサイン会は、午後5時、6時、7時からの3回です。
申し込み)飛鳥書店 042-484-2090
参加費はかかりません。飛鳥書店でこの絵本を買っていただければそれでOKです。
『水辺のブッダ』(小学館)も併せて、サインいたします。
プロフィール
作家・歌手・明治学院大学国際学部教授

ドリアン助川

Author:ドリアン助川
物語をつづり、詩をうたう道化師です。

ライブ・公演情報
2021年12月
24日&25日
『新宿の猫』
菊川なぁ〜じゅ
近刊
「水辺のブッダ」(小学館)
「新宿の猫」(ポプラ社)
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