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世界の村のどえらいさん

明日(7月23日)の夜10時から、
関西テレビ系(フジテレビ系)の『世界の村のどえらいさん』という番組で、
拙著が紹介されるそうです。

詳しいことはボクもよくわからないのですが、
この時間にテレビを観てもいいよ〜という方、
おやすみの前にちらりとご覧下さいな。
ボクも観ます。

手塚治虫さん

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手塚治虫さん、この11月で生誕90年になるんですね。

底知れぬイマジネーションを生きた手塚治虫さんです。
憲法だからと、そこに縛られて手塚さんが漫画を描いたわけではないと思います。

でも、少年期の大半を戦争下の大阪で過ごした手塚さんです。
おびただしい死や暴虐の目撃者として、
また体験者としてペン先が描き出そうとしたものは、
結果的に、9条が訴える戦争放棄の精神と重なり合うのだと思います。

ただ、手塚さんは、それが平和を唱えるものであれ、
国家がこうあるべきだから、人間もこうあるべきだという感覚では作品を描きません。
物語の中心にいつもあるのは、
一人の人間の(あるいはひとつの命の)精一杯の生であり、その輝きと影です。

ボクのような作家もまったく同じです。
描きたいのは生きている人間の姿であり、
社会や国家は、その向こうにうっすらと浮かび上がってくる霧のようなものです。
その霧のようなものから公式を導き、人を規定しようとは思いません。
歴史を振り返れば、過ちはいつもそこから起きているからです。

手塚さんの実体験がもとになった『紙の砦』と、この本で久々に出会いました。
この作品を初めて読んだ頃を思い出し、過ぎ去った陽射しの量を思いました。
他にも懐かしい作品が複数収録されています。

手塚さんの乱暴者の友人だった明石が、手塚さんが描いた女の子の紙を腹に巻いて特攻出撃する作品。
タイトルは忘れちゃったけれど、あれも収録してくれていたら良かったなあと思いました。

手塚さん、今ご存命なら89歳なのですね。
もし今いらっしゃったら、どんな作品を描かれたのでしょう。
そんなことも想像してみました。
そして、それはボクらがやるべきじゃないのかと、当たり前のことも考えました。

各作品の解説は、「九条の会」の小森陽一さん。
巻末には、小学館の手塚番だった野上暁さんのエッセイも収められています。

仕事場でずーっと漫画を描き続けていたのに、なぜ手塚さんは世界情勢と世間の空気に敏感だったのか。
その秘密が書かれています。

今こんな感じです。

朗読、ライブ、講演!
現在決まっているのはこんなところです。

7月18日(水)京都・東本願寺しんらん交流館 ミニ講演とライブ『クロコダイルの恋』
     午後6時より 500円

7月25日(水)三重・伊勢市生涯学習センター いせトピア 『あん』についての講演
     午後2時45分〜4時15分 無料 問)0596-21-0900

7月29日(日)長野・カフェ『春陽』さん 昼夜二部制のトーク&朗読
     午後1時より『線量計と奥の細道』  午後6時より『あん』
     長野市上西之門町608 (善光寺の横だそうです)
     https://www.facebook.com/Haru.no.Hizashi/

7月31日(火)千葉・茂原市民会館 講演 教職員限定

8月17日(金)長崎・佐世保市コミュニティセンター 『あん』についての講演
     午後1時30分より 無料 問)0956-22-1522

8月18日(土)東京・渋谷LOFT9 盟友島キクジロウのバンド『NO NUKES RITGHTS』とライブ
     ボクは『線量計と奥の細道』にアルルカンとして歌を加えていきます。
     午後1時開演 問、予約)03-6264-7330

9月9日(日)東京・神保町ブックハウスカフェ 午後3時〜4時30分
     『線量計と奥の細道』の講演・朗読・サイン会 

9月16日(日)鹿児島・鹿屋市文化会館 映画『あん』上映+トーク
     午後1時30分〜4時
     『あん』の徳江さんの精神的モデルとなった上野正子さんとのトークショーです。

9月22日(土)和歌山・有田川町 金屋文化保健センター 『あん』についての講演
     午後1時30分より 問)0737-32-5755

9月24日(祝)東京・つつじヶ丘の飛鳥(あすか)書店 
     5冊の自著の朗読とトーク 
     午後4時〜6時

9月29日(土)東京・Eggman Tokyo East
日本ペンクラブ『子どもの本委員会』朗読部ライブ
     15人の児童文学作家と翻訳家による昼夜2部制の朗読ライブです。
     紙芝居も、幻灯芝居も、『クロコダイルの恋』もあり。盛りだくさんだよ!      

朗読者としての決意。

大水の被害にあった街の本屋さんは、在庫をすべて失くしましたね。
どれだけ悔しかっただろう。

被災にあわれたみなさんすべてに対し、
早く穏やかな生活が戻りますようにと、
ボクなりの祈りがあります。

でも、祈りの先にも進むべきだと思うのです。

今回のことで、この十年で半減してしまった街の本屋さんの苦境を考えました。
被災地については迷惑にならないという最低限の思慮を持たなければなりませんが・・・

朗読という手段をもって、
どこであろうと街の本屋さんを盛り上げて行きたいと思います。
日本中、どこにでも行きます。
うちでやってよ! という本屋さん、一緒にやろうという作家、詩人のみなさん、
ひとつずつの文字から心ある謀反を起こしませんか。

たった数人しか入れない書店でも、
空虚な政治的言葉ではなく、
ボクらの生命たる言葉をもって、
お客さんとともに時間を再創生しませんか。

もちろん、ボク一人でもやれることはやります。

新刊『線量計と奥の細道』

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奥の細道の大半を自転車で走り抜けた旅日記、
『線量計と奥の細道』(幻戯書房)、いよいよ明日発売です。

2012年の8月から11月にかけて、
奥の細道の全行程を、空間線量を測りながら旅しました。
福島第一原発の事故により、日本各地がどれくらい被曝したのか、
自転車のペダルを漕ぎながら計測して回ったのです。

元禄二年に松尾芭蕉と河合曽良が歩いた道は、
東京から始まり、埼玉、栃木、福島、宮城、岩手、山形、秋田、新潟、富山、
石川、福井、滋賀、岐阜へと続く約2000キロです。

この中には、原発事故の直接の被害を受けた場所もあれば、
原発銀座と呼ばれるエリアも含まれています。
そこで出会う人々との意見交換が、この旅日記のひとつの生命となっています。

原発反対と唱えることは簡単ですが、
実際にそこで暮らさなければいけない皆さんに会うと、
旅は徐々に逡巡や懊悩を背負い始めました。
しかしやはり、ゆっくりとした人力の旅だからこそ気付くことも多いのです。

芭蕉の時代との地形の比較を試みれば、
活発に揺れ動く日本列島の特異性が見えてきます。

また、原発が生み出す剰余利益のために地方が耐えるという構造が浮かび上がってくることもあり、
この本の刊行に踏み切る結論にいたりました。

2012年の旅の日記とともに、
その後2016年までの定点観測の結果も記しています。
除染によって線量はどう変化したのか、
その汚染土はどこに隠されたのか、
風景はどう変わったのか、
線量が逆に上がった場所はどこなのか、
自分なりに調べた結果を記しています。

ただ、ガチガチの原発本ではありません。
被曝の現実に出会いながらも、
この国で生きるとはどういうことなのか、
ペダルを漕ぎながら考え続けた思索日記(あるいは酒日記)こそが
根幹になっている本です。

出すかどうか、悩んだんだわ、ずいぶん。

写真点数が67点と多いため、
値段も2200円(税別)と少々高めですが、
お手にとっていただけると幸いです。

東京湾の夕陽

東京湾夕陽180629_convert_20180701121844

これが東京湾の夕陽です。

観音崎沖では。

東京湾180629_convert_20180701121755

東京湾口までは真夏の晴天が続いていたのですが、
湾内に入り、左に観音崎を見るあたりから空が変わりました。
幻想的な風景の中、巨大な貨物船とすれ違いました。

梅雨明けの三宅島(三池港)

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6月29日、関東地方は梅雨が明けました。
三宅島から東京に戻るその日です。
空の青、海の青が眩しくて、夏の始まりを感じさせました。

黄色い船(橘丸)で6時間半かけて竹芝に戻ります。
プロフィール
作家・歌手・明治学院大学国際学部教授

ドリアン助川

Author:ドリアン助川
物語をつづり、詩をうたう道化師です。

ライブ・公演情報
2021年12月
24日&25日
『新宿の猫』
菊川なぁ〜じゅ
近刊
「水辺のブッダ」(小学館)
「新宿の猫」(ポプラ社)
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