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友だちの本の紹介

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若い友だちの本を紹介します。
『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日』(咲セリ著・角川書店)

みつきと名付けられたこの子は、おそらくは人間による虐待から大けがをした盲目の猫です。この子が旅立つまでの半年間をいっしょに過ごしたセリさんと旦那さんの心の記録と写真によって構成された本です。

目が見えず、快復が難しい傷を負ったみつきにセリさんと旦那さんが望むこと。それは、特別なことではありません。
そのままでいい・・・そのままそこにいて、生きていてくれたら、という願いです。

みつきとの関係のなかで、自分たちも実はそうではないのかとセリさんは気づきます。自分たち夫婦も「そのままでいいから」とささやかれているような気持ちになってくるのです。

難しいことはなにも書かれていません。ハンディキャップを山のように背負ってしまった一匹の猫と、若いご夫婦の心の交流です。でも、ボクたちがつい忘れがちなことがここにはあるような気がします。

実は、数ヶ月前にいただいた本だったのですが、ボクも猫が登場する小説を書きかけだったので、それを仕上げたらいっしょに歩いていこうと思っていました。ボクの猫小説もなんとか形になりそうですので、みつきを紹介させてもらいました。
セリさん、ありがとう。

5月26日(金)自由が丘で会いましょう。

一度きりの人生をどう生きるのか。
それも大切なことですが、
一度きりのこの世をどう受け止めるのか。
これも大切なことです。

不遇なとき、逆境のなかにあるとき、重荷を背負う人生だと感じるとき、
それでも人生は素晴らしいと言える「ある視点」が、ボクに物語を書かせる原点となっています。

5月26日(土)、「積極的感受」という言葉をキーワードに講座を開きます。
お時間がある方、どうぞいらして下さい。
小説『あん』に始まり、芭蕉、蕪村、鈴木大拙にまで話は伸びていくと思います。

東京自由大学での講義になります。

5月10日(木)下北沢で会いましょう。

セルビア在住の詩人、山崎佳代子さんと対談します。
5月10日(木)下北沢のB&Bです。

『パンと野いちご:戦火のセルビア、食物の記憶』(勁草書房)の刊行を記念しての対談ですので、メーンはもちろん著者の山崎佳代子さんですが、ボクも内戦時のルーマニアや自衛隊がPKO部隊として入る前のカンボジア取材を思い出し、いくつかの短い詩などを披露できればと思っています。
どうぞみなさん、いらして下さい。

けなげな花

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アトリエのテラス。
毎年この時期になると、ご覧の赤い花たちが現れ、透明な言葉をささやいてくれる。
レンガの間から。土なんてどこにもないのに。

三宅島の豊かな自然も素晴らしいけれど、
東京の、調布の、このけなげな花たちにも心をつかまれる。
咲いてくれてありがとう。
毎年、ボクも透明な言葉をささやく。

オリヴィエ・ブルドーさんと対話

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フランスで50万部を売り上げた小説『ボー・ジャングルを待ちながら』の著者、
オリヴィエ・ブルドゥーさんと対談をしました。

とても楽しかった。
外れて生きてきた者どうしの組み合わせですから、
文学論というよりは、ポエジーあふれる人生論に始終したような気もします。

対談の模様は、CINRA というサイトで5月9日にアップされる予定です。

ペンクラブの授業始まる。

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日本ペンクラブ「子どもの本」委員会有志による、
三宅島の三宅小学校、三宅中学校でのボランティア授業が始まりました。

月1回ですが、作品の読み聞かせと、
子どもたちといっしょに表現力を高める授業を行います。

4月の初回は、児童文学評論家の野上暁さんと、翻訳家の河野万里子さんにお願いしました。

野上さんは小学3、4年生と詩や童話や言葉遊びの2コマ。
河野さんは5、6年生を相手に、翻訳された『カモメに飛ぶことを教えた猫』をボクと朗読し、
のちに生徒たちにも対話劇をしてもらう2コマ。

子どもたちも嬉々として、ボクたちも嬉々として、
たいへん充実した一日となりました。

快晴の空の下、島も喜んでいた様子。
これからも良き授業が続きますように。

正太郎あらわる!

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三宅島はバードアイランドとして、世界中から注目されています。
鳥の種類が豊富で、天然記念物のアカコッコを始め、たくさんの鳥を見ることができます。
本当に毎朝、鳥たちの声で目をさますのです。

ただ、それは同時に、鳥たちの餌になる虫たちも多いのですよ〜ということで、
その虫たちを狩る蜘蛛くんたちも実にいっぱい。
しかもでかいのです。

あまりにでかいのが現れると、ボクは名前をつけることにしました。
彼(彼女かもしれませんが)は、正太郎。

正太郎、寝室には出ないでくれ。
なんとCDサイズです。
このあと、ちょっとお外にお散歩に行ってもらいました。


三宅サンマルツァーノ

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今年も三宅島の菊地農園さんで、火山灰を好む調理用トマト「サンマルツァーノ」の栽培が始まりました。
生でもいけますが、煮たり焼いたりすると信じられないほどうまみが出るトマトです。

昨年の実験栽培は大成功で、調理したこのトマトでの収穫祭は
「うまい! 本当にうまい!」とファンが続出しました。

今年からいよいよ、このトマトの販売を始めます。
菊地農園さんもビニールハウス2棟をサンマルツァーノの栽培に当てる予定で、
ご覧の通り、一生懸命に苗を育てているところです。

大豊作になりますように。
あのおいしいトマトがみなさんのもとに届きますように。

三宅島の犬

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三宅島滞在中にコーヒーを飲みにいくカフェ「ノン・ノ」の入口にはこの犬くんがいてくれます。
犬くんは、頭を撫でてあげるとお礼にと言って、木の棒をくわえて持ってきます。
きっとこの木の棒で遊びたいのだろうな。
次回はその夢を叶えてあげるのと同時に、肝心の犬くんの名前を確認してこようと思います。
プロフィール
作家・歌手・明治学院大学国際学部教授

ドリアン助川

Author:ドリアン助川
物語をつづり、詩をうたう道化師です。

近刊
「寂しさから290円儲ける方法」(産業編集センター)
(2023年5月23日刊行予定)
「動物哲学物語」(集英社)
(2023年10月26日刊行予定)
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