友だちの本の紹介

若い友だちの本を紹介します。
『それでも人を信じた猫 黒猫みつきの180日』(咲セリ著・角川書店)
みつきと名付けられたこの子は、おそらくは人間による虐待から大けがをした盲目の猫です。この子が旅立つまでの半年間をいっしょに過ごしたセリさんと旦那さんの心の記録と写真によって構成された本です。
目が見えず、快復が難しい傷を負ったみつきにセリさんと旦那さんが望むこと。それは、特別なことではありません。
そのままでいい・・・そのままそこにいて、生きていてくれたら、という願いです。
みつきとの関係のなかで、自分たちも実はそうではないのかとセリさんは気づきます。自分たち夫婦も「そのままでいいから」とささやかれているような気持ちになってくるのです。
難しいことはなにも書かれていません。ハンディキャップを山のように背負ってしまった一匹の猫と、若いご夫婦の心の交流です。でも、ボクたちがつい忘れがちなことがここにはあるような気がします。
実は、数ヶ月前にいただいた本だったのですが、ボクも猫が登場する小説を書きかけだったので、それを仕上げたらいっしょに歩いていこうと思っていました。ボクの猫小説もなんとか形になりそうですので、みつきを紹介させてもらいました。
セリさん、ありがとう。