トランプのミサイル攻撃について思うこと

もはや、シリアでは第三次世界大戦が始まっていて
犠牲者にとってはこれが最終戦争でもある。

ここまで混迷してくると、理屈や理想ではなく、
力を持ったものが次の秩序をつくるために、
より破壊的な行為が繰り返されるだろう。

反体制派皆殺しのアサドを擁護するわけにはいかず、
かといって、トランプがふたを開けてしまった荒涼たる戦闘の世界を認めるわけにもいかない。
結局のところ、ボクたちは美しいままでは、生きていけない。

どちらも支持しません、と言うのは容易いが、
では、お前ならどうするのだ? という問いかけに対し、
遠いところで愛の歌を歌うのも、大して潔いとは思えないからだ。

ただ、これだけは言える。
戦争をするなら、神を利用するな。

トランプは、神の名のもとにシリアへの攻撃を決定した。
アサドもきっと、神に命乞いをしながら虐殺を繰り返している。

たしかに、ボクらは、ボクらの想像を超える大いなる力によってこの世に誕生した。
ときにその大いなる力に対し、「神」の言葉を使う人たちがいる。
それならそれで良いが、少なくともその神は、一国を守ることで他の国をおとしめたり、権力者の地位を守るために宮殿に鎮座するような神ではない。

なぜならそうした神は、すべて人間の利己心から来る想像上の産物であるからだ。悪魔もまたそうだ。
ボクらの心のなかにその種の神と悪魔はある。
殺し合いをして地獄を生み出すのも、多様性を美と認識してみなで力を合わせて生きていこうとするのも、人間の心しだい。人間のなすところだ。

アサドは、アサドの心によって虐殺を行っている。
トランプは、トランプの心によって戦争のふたを開けた。
そこに神はいない。

そして、これはかなり先の話になるかもしれないが、
この人間ゆえの醜い歴史に終止符を打つ時代が来るとしたら、
それも神ではなく、人間の心と、人間の努力によるものなのだと思う。
プロフィール

ドリアン助川

Author:ドリアン助川
物語をつづり、詩をうたう道化師です。

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