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大阪と名古屋でライブやります。

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大阪と名古屋のライブが決まりました。
ぜひ、いらして下さい。
「アルルカン・ヴォイス・シアター 多摩川物語」

ボクとピクルス田村君(G)のいつものコンビに、
2011年カンヌ国際映画祭招待作品『朱花の月』(河瀬直美監督)の主演、そして今上映中のマーティン・スコセッシ監督『沈黙』に出演している国際派女優、大島葉子さんが加わります。

ライブの「多摩川物語」は、ポプラ文庫から発売中の拙著「多摩川物語」の各短編に曲をつけ、朗読と歌を交互に織り交ぜていくスタイルです。東京での公演は長く続く拍手に包まれました。ぜひ、関西、中部圏のみなさんもこの舞台を体験されて下さい。

4月9日(日) 
場所)ぎゃらりいホンダ 大阪府堺市中区深井沢町3134
電話)072-278-3381
HP) hondayama.exblog.jp

17時半開場  18時開演 
3500円 終演後のパーティ、軽食付き

つちびと作家、可南さんの個展会場でのライブとなります。
命が宿るつちびとたちを一人ずつ見てあげて下さい。
可南さんのつちびと展「はらはらと ヒカリ降る」は
4月1日(土)〜4月15日(土)です。
ライブの申し込みは電話か、honkan0811@yahoo.co.jp まで。


そして名古屋でのライブは翌日です。
4月10日(月)
場所)鶴舞KDハポン 名古屋市中区千代田5-12-7
電話)052-251-0324
HP) www2.odn.ne.jp/kdjapon

18時半開場 19時開演
前売)3000円 当日)3500円
ライブの申し込みは電話かホームページ上のメール欄からどうぞ!

終演後、名古屋で飲むのが楽しみです。(と、大島葉子さんが!)

はたらく動物と。

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動物がそばにいてくれるだけで何らかの安定感を得られる方々に、最高に面白く、朗らかに明るく、命として切なく、そして年に二度は繰り返し読むことになるであろう本を紹介します。

「はたらく動物と」(文と絵 金井真紀)

動物の糞の匂いがしてきた瞬間、苦しげな顔になる人とにやにや笑いだす人の二つに分かれるような気がするのですが、ボクはもちろん後者です。3歳のときに行方不明になり、東大農学部の演習場の養豚場で発見されました。たぶん、ずっと豚を見ていたかったのでしょうね。その種の境界のないみなさんに朗報です。「世界はフムフムで満ちている」「酒場學校の日々」(ともに皓星社)の真紀さんが鉛筆と絵筆を持って、ついに夢の領域を歩き始めました。

はたらく動物と。馬や犬や鵜など、人間とともに働く動物たちに最大限の尊敬と、繊細なる憧憬をもって近付いた真紀さんですが、その動物とともに働く人間をもひとつの動物として捉えてしまうのがこの人の感性。これまでになかった二つの意味での「動物記」をここで完成させています。

といっても、文章は堅苦しさからはほど遠く、どちらかといえばフフフと笑ってしまうツボはまりの連続。たとえば長良川の鵜匠が真紀さんにぶつけた言葉。
「わしの話を聞いて、本にするのけ。わしは本は読まん。ぜんぶ鵜から学んどるで。本を書く人間や学者先生なんてもんは、たわけじゃ思うとる」

つまりこの鵜匠も、真紀さんにとっては愛すべく「はたらく動物」なのであり、だからこそ野生の鵜の羽根を切らずとも、彼らがこの鵜匠のそばを飛んで離れていかない秘中の秘を知ったときに、胸を揺さぶる大いなる感動がやってくるのです。

真紀さんの野望はタンザニアの地雷ネズミを取材することですが、今回この一冊目は「モンキードッグ/犬猿の仲はほんとうか」「鵜飼の鵜/鳥が教えてくれた最高の死に方」「耕す馬/野原のたんぽぽサラダ」「盲導犬/自由とはビールを飲みにいく夜道」「パリのニワトリ/世界との向き合い方を考える場所」の5編からなっています。どれも読み応えたっぷりで、ボクらの胸に「シートン動物記」を読んだ頃の歓喜と切なさを呼び起こします。

人間と動物たちの間にさしたる境界を感じないみなさん、ぜひ読まれてみて下さい。「ころから」という出版社です。1380円+税

戦争と文学

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日本ペンクラブ主催『戦争と文学』に於いて、
浅田次郎さん、志茂田景樹さんと対談します。

戦争放棄というひとつの礎がぐらつき始めた今、
文学に力があるとすればそれはどこに向かうのか、
あるいはそんなものはどこにもないのか、
どこにもないならどう生み出すべきなのか、
自身のカンボジアや9.11の体験、
また、戦記文芸から読み取る人間的事実なども交え、
この先の危惧とstrategyを語るだけ語れればと思います。

3月4日(土)午後6時50分開演 参加費1000円
パルテノン多摩小ホールです。
問い合わせ)日本ペンクラブ事務局 03-5614-5391
secretariat01@japanpen.or.jp

テディ・パパヴラミがやってくる!

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アルバニア出身の世界的ヴァイオリニスト
テディ・パパブラミが来日します。

まずはテディが自ら綴った波乱の半生
『ひとりヴァイオリンをめぐるフーガ』(山内由紀子訳)の紹介。

ソビエト連邦やユーゴスラビアを仮想敵国とみなし、中国とも国交を絶っていた超絶孤独な共産主義国家アルバニア。四十年以上続いたエンヴェル・ホッジャの独裁により、経済は完全崩壊します。ヨーロッパ最貧国と化したその鎖国の地で、ヴァイオリン教師を父に、階級闘争の対象ともなりえるブルジョアジーの子としてテディは生まれます。

父親の厳しいレッスンと鉄拳制裁、それに耐えながらも力を抜くことを覚えるテディ。環境的にも内面的にも不安定な時間のなかで、幼きテディはヴァイオリニストとしての道を歩み始めます。しかし、祖国での活動は限られており、骨身にしみて未来なき未来を知る父親とともに、茫々たる荒野を見つめるばかり。

そんなとき、演奏旅行でアルバニアを訪れたフルート奏者に才能を見いだされ、フランス政府から奨学金を受けることが決定。テディは11才で渡仏します。アルバニア大使館の監視下に置かれる生活ですが、異国の地で多国籍のミュージシャンたちと知り合い、テディの音楽性や表現力の根はどんどん太く、強くなっていきます。ソリストとしての活動の場も増え、ついに輝かしい未来が見え始めたテディ。ところがそこで、祖国アルバニアから帰国命令が下ります。やがてこれが父親と母親を巻き込んだ政治亡命へと転じ、アルバニアの親族はみな強制労働所送りに・・・。

希有な半生を綴った自伝であるとともに、これはまぎれもなく、「求めている人」にとって読み応えのある文芸作品です。溢れるばかりの文才もあるテディ。アルバニアを代表する作家イスマイル・カダレの作品を10冊以上フランス語訳しており、その技術をもって、自身の内面に起きたことをリアリティを失わずに伝えてくれています。独裁政権化の人の心について、初恋について、父親との葛藤について、その父親の悲しみについて、母親の忍苦について、そして生涯を終えんとする祖父が残した言葉について。

この分厚い本。翻訳の山内由紀子さんは等質感を保ったまま、決して難しさをまとわずに、テディの息吹を身近な日本語で再現してくれています。表現とは何なのか? 技術とは何なのか? テディの苦しみはボクらの苦しみでもあり、その迷路はボクらが突破すべきダンジョンでもあります。励ましになる頁がずいぶんありました。

ただ、この本、高いです。版元は藤原書店なので、ああ、もう、これはそうなのね、と頷くしかないのですが、なんと税抜き4600円。音楽を始め、技術を磨かなければいけない表現者なら二食抜いても入手すべきですが、そうではないと思われる人は図書館に買ってもらうのがいいかも。(でもなあ、飲み代なら平気で5000円使えるのに、書籍だと急に渋くなるというのは、人生に於いては本末転倒ですよね)

そして特報。
ヴォイオリニスト、テディ・パパブラミが東京にやってきます。
「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017」
公演番号312とか316とか、全部で5回ステージに立つみたい。

公式サイト
http://www.lfj.jp/lfj_2017/

プログラム
http://www.lfj.jp/lfj_2017/performance/pdf/LFJ2017_timetable_PDF_170214.pdf

読んでからテディに会いに行くか。会って聴いてからテディを読むか。
5月4日、5日、6日、東京国際フォーラムです。


特報!

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3月19日(日)20日(祝)
糸魚川の酒とうまいものを味わいに行きます。
一泊の旅行になります。
いっしょに行って、糸魚川でお金を使ってくれる人、大募集です。

先月、糸魚川に行ってきました。
大火があったのは駅前からの中心地です。
生活基盤となる区画が消失したため、みなさんたいへん困っています。

今、糸魚川は人がこなくなり、酒も売れず、
飲食業者からは悲鳴があがっています。

そこで、まずは糸魚川に行こうよ! ということです。
2012年、ボクは自転車で『奥の細道』を旅する際、
各地でたくさんの人にお世話になりました。
糸魚川もむちゃくちゃ支えてもらった街です。

その人力の旅のなかで忘れられないのが
糸魚川の谷村美術館の仏さまたち。
文化勲章授章の彫刻家、澤田政廣さんが生んだ仏だけを展示するために、同じく文化勲章授章の建築家、村野藤吾さんが設計したのがこの谷村美術館です。
自然光によって浮かび上がる仏さまたちは、時間によってその表情を変えます。
これは生涯に一度の体験。
この谷村美術館を訪れるだけでも、糸魚川に行く価値はあります。

フォッサマグナミュージアムや、翡翠園、名物ブラック焼きそばなど、糸魚川の魅力はまだまだあります。海岸で翡翠を拾うのもいいでしょう。

19日の昼にJR糸魚川駅にて現地集合。20日の午後、同じくJR糸魚川駅にて現地解散となります。利潤行為としないため、ボクのライブなどはありません。あくまでも、谷村美術館やフォッサマグマミュージアムを見学して、あとは糸魚川のおいしいものを食べよう、飲もうというボランティア企画です。一泊が基本になります。参加したい方は各自の責任でメールを下さい。人数によって、どこの旅館にお世話になるかを考えたいと思います。旅館の料金などは決まり次第、参加希望の方にお知らせします。

よーし、糸魚川に一泊で行ってみよう! という人。ニックネームではなく、本名でメールを下さい。追って連絡します。受付は今月一杯までとします。

tetsuya@oasis.ocn.ne.jp

ブラック焼きそばで糸魚川の酒を飲もう!

東海村までありがとうございました!

茨城県東海村で行われたライブ『命たちよ、生きてゆこう!』(2月4日)におこしいただいたみなさん、ありがとうございました。

主催者のアリスンさんは、さまざまな意味を込めて、このイベントを立ち上げました。原発の再稼働が近付く東海村で、本当にこのままでいいのか、3月11 日以降のあの気持ちを思い出してもらいたいという願い。そして、昨年亡くなった親しい日本の友人への気持ち。その友人を失ったことで歌わない日々が続いていたあるシンガーへの励まし。

アリスンさんの仲間たちや、原発の村の未来を考えたい人々の手によって、このイベントが立ち上がりました。第一部『クロコダイルの恋』、第二部『新・奥の細道』。集中力高まる客席に向けて、限界までの力に挑めたボクたちは幸せでした。アルルカン、ここにあり!

大隈講堂までありがとうございました!

しばらく日がたってしまいましたが、
早稲田大学大隈講堂で行われた世界ハンセン病デー特別イベント
『明日に架ける橋』(1月29日)にお越し下さったみなさん、
ありがとうございました。

日本と中国のハンセン病療養所でボランティア活動を行っている早稲田大学のサークル「橋」とのシンポジウム。そして、中井貴惠さんとの朗読劇『あん』をこの日ぶじにやり遂げることができました。

準備、PRに尽力して下さった早稲田大学のみなさん、スタッフのみなさん、ありがとうございました。三宅島で寝込んでしまったため、少々不安を抱えて高田馬場に向かったのですが、早稲田の杜を歩いているうち気力復活。打ち上げのビールまで一直線に進むことができました。

「橋」のみなさん、どれだけ人数が減っても、真摯な心を持つ部員が一人いれば、活動は続けていくことができます。ボクら作家も基本は一人。それでも物語を世界に放つことはできる。どうぞ強い心で、たくさんの国に「橋」をかけて行って下さい!

早稲田大学のサイトでも紹介されています! (クリック)
プロフィール
作家・歌手・明治学院大学国際学部教授

ドリアン助川

Author:ドリアン助川
物語をつづり、詩をうたう道化師です。

ライブ・公演情報
2021年12月
24日&25日
『新宿の猫』
菊川なぁ〜じゅ
近刊
「水辺のブッダ」(小学館)
「新宿の猫」(ポプラ社)
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