今年の終わりに。

昨夜、すこし長い距離を歩いて帰りました。
すると、街灯の光の下だけ葉を茂らせた
勘違いの冬のハナミズキと出会いました。
人工の光と陽光を間違えてしまったのですから、
あるいは、かわいそうなハナミズキかもしれません。
でも、ボクはこの木から
ひたむきな生命力を感じました。
どっこい生きている、という感じ。
仕事がうまくいかなかったり、
幸せとは思えない日々が続いたりすると、
消え入りたくなる夜があるものです。
だけど、とにかく
たとえぶざまでも、
生きてりゃいいのではないでしょうか。
季節は巡り、
この不器用なハナミズキも本当の緑に包まれるときがやってきます。
誰がみてくれなくても、
どっこい生きている!
ボク自身もこの十年をそんなふうに生きてきた気がするのです。
そして、すこしずつ物語が動きだす。
それを遠くから月が見ています。
今年出会い、言葉を交わしたみなさん。
ライブにいらして下さったみなさん。
本や映画に接して下さったみなさん。
お世話になったみなさん、ありがとうございました。