歴史的瞬間に立ち合った

カタール行く直前に、地軸がずれ動いたんじゃないかと思うくらいの
ものすごいものを観て(体験して)しまったので報告します。
鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団の新作公演「無限」。
音楽監督とヴォーカルをつとめた中島千絵さん(写真中央)にご招待いただき、
日本橋劇場にうかがいました。
ボクは学生時代、新宿のフラメンコ居酒屋「nana」でバイトしていたこともあり、
流れでエル・フラメンコにもよく通いました。
まったくの専門外ですが、
スペインからの舞踊団も含め、相当数観ている方です。
それゆえに、フラメンコが持つ徹底的な形式美について
その不自由さと、不自由であるからこそ到達可能な悲哀という
黄金律にも似たバランスのなかで固定観念ができあがってしまっていたのです。
フラメンコは形式から逃れられない。
逃れちまったらもうフラメンコじゃない。
そのくらいの思いです。
ところが今日は、正面からはっ倒され、後方に百回くらい転がされた感じがあります。
見事に一度フラメンコを解体し、
その緊密な再構成のなかに人間の持てる力をありったけ注ぎ込んだ新次元の舞踊。
つまりこれは一種の人間意識の解体であり、等しく懐胎でした。
ものすごいよ!
歴史が今日動いたんだもの。
それを目撃できたんだもの。
人類は、人類という難題を抱え込んだ。
ならば、ボクらは人類を取り戻さなければならない。
パリのテロのあと、そんな意味のことを書きました。
それがもう始まっている。
世界のどこに出してもエンドレスの拍手間違いなしのパフォーマンスの誕生です。
今日の観客席も、心からの拍手が大きなウエーブになっていつまでも続きました。
この人たちは最初から世界を視野に入れている。
もとの地平が全然違うところにある。
あの圧巻の群舞、歌、音楽! そう思わざるを得ません。
ついに、こんなものが誕生してしまった!
今日は新作公演としての楽日でしたが、きっと再演があるでしょう。
こちらに情報が入ってきたらお伝えしますね。
それにしても、人類はすごい!
これは文字通りinfinitoな連続公演になるかも。