秩父はいいけど哀しいな。

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秩父のシンボル、武甲山。
セメントの原料とるために削られて、
こんな形になってしまった。

この山をどう思うか。
もちろん、この山が削られて、
セメントになってくれたお蔭で、
明治からのこの国の繁栄の一部が底支えされているわけだけれど、
なんつ−か、俺などは、
人間というものは傲慢だなあ、
もう本当にこの星は迷惑しているんじゃないかなあと、
割と本気で思ってしまうのです。

ライオンを殺して首を刎ねて、
「合法的だから」と主張するアメリカのハンターや、
今でも福島や栃木の汚染は深刻なのに、
国民の合意も得ずに原発再稼動しちゃう政治家や産業界や、
山ぼこぼこに壊したゴルフ場で「ナイスショット!」とか言ってる連中の、
根の部分というのが、
この山の形が象徴している何かと
どこかで結びついているような気がするのです。

といっても、
俺も生き物を食べてきたわけですし、
だいたい釣り師だったから、
魚をたくさん殺してきました。
セメントのお世話にもなっているしね。

思うことはね、
しかし、分を知るということだ。
必要以上に、何かを壊していないか。
それに、殺した魚の分だけ、
今度は産み育てなければならない。
そういう老後があってもいい。

秩父はいいな(2)。

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そして、完食完飲。
秩父の蕎麦屋でのんびり飲むなんて、
自分にとっては今、最高のぜいたくです。

蕎麦、でも今いちでした。

次に秩父に赴くときは、
もう少し開拓したいと思います。
漬け物はとても美味だったよ。

秩父はいいな。

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これは昨日の報告。

幼い頃、祖母がボクを連れて、東北、北海道を転々とした。
うち、経済的に逼迫していたからね。
祖母もいろいろとあって、転々とする人生であった。

砂の器の親子で放浪するシーンは、
だからだめです。今でも。

その祖母と、いっしょに遊んでくれた叔父の墓参りをしに、
群馬の田舎まで一人で出掛けた。
暑いね。まったくもって暑い。
墓前で少々の報告をして、
ちょいと夢など語りつつ・・・

さあ、これからどうするかなと、
寄居から秩父鉄道に乗り換え、
そのままさすらいの人。
秩父駅の近くで蕎麦屋に入り、
はい、またもや4時からスタートです。

明るいうちからゴールデン街

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日曜日、NHKの「ドクターG」という番組にゲスト参加。
そのままアトリエに帰って、
新潮社「波」で連載中の「ニューヨーク・サン・ソウル」の最終話を徹夜で書いた。
仮眠することなく、
月曜日の昼はヴォイストレーニングでカンツオーネを一時間たっぷり。

この暑さもあって、足もとがふらつく新宿の午後。
「弄堂(ロートン)」でウーロンハイやりながら豚の角煮と青菜炒め。
続いてゴールデン街に行ってみれば、
ほら、「サーヤ」がやっていた。
午後4時からスタート。
あと2軒回って、不良中年のトライアスロン終了!

ウクライナの街で

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こうして、あっという間に映画祭の四日間は過ぎていきました。
希林さんと良く飲み、良く笑いました。
これは、希林さんが気を遣われて
撮って下さった写真。

オデッサの通りには彫像がけっこう並んでいます。
優雅な青年と手を取り合い、
歴史の交差点とも言えるこの地に吹く
そよ風を受けているところです。

しかしそれにしても・・・
「あん」という物語を書いている時は、
映画化されたらいいなあ、ぐらいには思っていましたが、
まさか、ウクライナにまで連れていってもらえるとは!

物語の力は偉大です。
なんらかのかたちで言語を越える作品とつながり合った時、
こんなふうに広がっていくものなのですね。

「あん」が世界各地で根を張り始めた。
そんな実感を胸に、
さあ、希林さん、もう少し飲んでから帰りましょう。

ウクライナ、紛争が終われば、
とてもいいところですね。
また来たくなる場所です。

ですから、お金を円に戻すことはやめ、
次回の旅のために取っておきましょう。


映画は国境を越える!

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希林さんを囲む人の輪が続きます。
口のなかまで涙が流れた、と話す女性たち。
俺は、不器用そうな青年から放たれたひとこと、
「心のトレーニングになりました」という言葉に、
胸震える思いがしました。

「あん」は、
主に東村山を舞台に撮影された低予算の映画です。
それが、渡航危険勧告が出ているウクライナの街で、
こんなふうに受け入れてもらえるなんて。

どんな強力な戦車よりも、
物語や映画は国境を越えて、
いえ、受け手の心のなかにまで入っていきます。



希林さん、女の子たちにもてる!

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映画「あん」の上映後、
カンヌ映画祭でも体験したあの拍手が待っていてくれました。
会場から出ていく希林さんと俺を、
左右に壁をつくるようにして、
ウクライナの人々が拍手で送ってくれます。

人前ではめったに泣かないのがウクライナの男たちなのだとか。
あんなにたくさんの男たちが泣いているのを初めて見たと、
コンスタンチンくん。

女性たちは、希林さんのファンになったようです。
すぐに人が集まり始め、
エンドレスの撮影会となりました。

希林さん、さらにごきげん!

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これがオデッサ国際映画祭の会場です。
希林さん、なにを見ても嬉しそう。
弾けています。

希林さん、ごあいさつ。

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公式会見、および、上映直前での会場に向けてのスピーチ。

希林さん
「ここに来ると言ったら、
おそろしい国だから行くなと周囲から止められました。
でも、日本は地震はあるし、
火山は噴火するし、
その状況で勝手に原発を再稼動させるし、
もっとおそろしい国です。
呼んでいただいて、ありがとう」

場内爆笑となり、ああ、希林さんは世界中から愛される人なのだなと、
横で見ていて実感しました。

公式会見

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フェスティバル終了日、
映画上映に臨んでの公式会見です。

俺は、「あん」を書こうと思った経緯、
映画化に向けて監督と希林さんに手紙を送ったことなどを話しました。
けっこう真面目に。

一方、希林さんは・・・

オデッサという街

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オデッサは、「戦艦ポチョムキン」の舞台となった街です。
ロシア中から観光客が集まってくる街でもあります。
そして昨年は、内戦にも似た紛争のなかで多くの犠牲者を出した街。

でも、行ってみなければわかりません。
この夏は本来の穏やかさを取り戻したようで、
街は光にあふれ、
人々の表情にも笑みがあふれていました。
人心が急速に回復しつつある、という印象を受けました。

希林さんの背後はオペラハウス。
結婚式の写真をここで撮るのが流儀となっているようで、
周囲には7組もの新婚さんがいました。

希林さん、ごきげん。

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オデッサ到着の翌日は、黒海にクルーザーで乗り出し、
海から街を観るという趣向のおもてなし。
ウオトカを一杯やったあと、
希林さんはデッキのベッドでご覧の通り。

気持ちいいねえ。
最高だねえ。
幸せだねえ。
来て良かったねえ。

と、ごきげんでした。

俺は、ウオトカを飲み過ぎました。

通訳くんと案内係さん

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オデッサにいる間、ずっと支えてもらった通訳くんと案内係さんです。
通訳くんは、コンスタンチンくんといい、大阪の外大に留学していました。
「ふつうにムカデがいる部屋が、オオサカですね」
と、ちょっと変わった印象が大阪にあるようです。
でも、彼の日本語は完璧。
まったくわからないロシア語と、時々こんがらがる英語をすべて横で訳してくれました。
頼もしいコンスタンチンくんでした。

案内係は、ナディアさんといいます。
ウクライナは美女が多い国だと言われますが、
まさかここまで、というぐらい、
「ふつうに美女がいる通りが、オデッサですね」という印象になります。
ナディアさんは気配り美人でもあり、
希林さんのちょっと暴走ぎみの言動にもやわらかに対応してくれました。
ワインをこぼした瞬間に、ティッシュを差し出してくれるナディアさん。
控えめな物腰ですが、専攻はギリシャ文学。
ギリシャ語ならまかせて下さい、とのことです。

黒海までやってきた!

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ウクライナのオデッサ国際映画祭にやってきました。
映画「あん」(河瀨直美監督作品)が、フェスティバルの
クロージング・フィルムに選ばれたからです。

クリミア半島がロシアのものになり、
東部ではいまだ戦闘状態とあって、
「やめておいた方がいいですよ」と
周囲からも危険勧告があった土地での映画祭です。

ところが、「そんな場所だから行ってあげたいのよ」という希林さんのひとことがあり、
原作者はボディーガードとして一緒に旅立つことになりました。
希林さんと二人だけのウクライナ旅行です。

トルコのイスタンブールまで成田から12時間。
そこで2時間ほど待って、オデッサまで1時間と少し。
街灯がまばらで、真っ暗な街という印象でした。
でも、翌朝になってみればご覧の通り。

黒海の輝きを受け、徳江さん、まばゆい笑顔です。

希林さんと行ってきます。

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日本国の平和の礎が、
与党の横暴によって今日、崩れましたね。
彼らを、憲法を破壊した犯罪者として
多数の国民が告訴する日が近付いているのだと思います。

さて、そんな中ですが、
これから数時間後、
希林さんと二人でウクライナに旅立ちます。
オデッサ国際映画祭のクロージング・フィルムに、
『あん』(河瀨直美監督作品)が選ばれたからです。

オデッサは渦中のクリミア半島からそう遠くなく、
極右と親ロシア派がぶつかり合っている街です。
オデッサで検索をかけると虐殺死体の写真ばかり出てきます。

そんな情勢ですから、
海外からはあまりゲストが訪れなくなっている映画祭だと聞きます。

しかし、希林さんは、
「そういうところの映画祭だからこそ、行ってあげたいの」
とおっしゃいました。

原作者兼ボディーガードとして、
希林さんのそばにいようと思います。

カンボジアでも東欧革命でも体験しなかった
テロ保険というのに入りました。

希林さんに幸いあれ。
ウクライナの好戦的ではない人々に幸いあれ。

『あん』、見守ってきます。

台湾デビュー!

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台湾でボクの著作集が発刊されることになりました。
その第一弾、『山羊島的藍色奇蹟』(卓惠娟訳/博識出版)の見本が
はるばる台北から届きました。
中国語でボクの小説が刊行されるのは初めてのこと。
送って下さった担当編集の方に大感謝です。

もとは『ピンザの島』(2014年ポプラ社刊)として世に放たれたこの小説。
黒潮を逆に辿るように台湾に上陸しました。

感じ入るのは表紙の絵の輝き。
小説内で、夜光虫の輝きが表現されているところが好きだと編集の方がおっしゃって下さり、
表紙絵の夜の海の虫たちは、暗闇で本当に光るような仕掛けになっています。

そして、初めて見た自分の名前。
ドリアン助川は、

多利安助川 になるんですね。

いいなあ、この字面。
自分も好きです。

来月は続けて二冊目の『あん』が刊行されます。
御礼を申し上げに台北まで行ってこようと思っています。

ピンザの島のラストシーン。
涼介が漕ぐ舟はどこに向かったのか?
続きを書いて下さいとよく言われました。

台湾、だったのですね。

今月(7月)の予定

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今月もまた盛りだくさんですよ。

まずはライブと講演のお知らせ。
三重県四日市市のメリーゴーランドで再びやらせていただきます。

7月12日(日) 
メリーゴーランド 三重県四日市市松本3-9-6
問)059-351-8156

14時〜16時 レクチャー「物語『あん』を巡る冒険〜生きるってなんだ?」
18時〜19時30分 アルルカン・ヴォイス・シアターライブ 「坂道」「クロコダイルの恋」

物語「あん」が出来上がるまでの心の冒険を辿りながら、
普遍的なテーマとしての「生きることの意味」について、
朗読などもふまえながら迫っていきたいと思っています。

また、アルルカンのライブでは、
定番の「クロコダイルの恋」とともに、
じっくり大人向けの「坂道」もお届けする予定です。

どちらの時間もプロジェクターで背景に写真が投影されます。
行ってみようかな、どうしようかな、
という方、お気楽にメリーゴーランドさんまで問い合わせてみて下さい。

続いて、シェフ!
当アトリエのすぐそば、
ビストロ「くしのはな」の横山シェフがしばらくの間入院されます。
そこで、ずーっと店を閉めているのもどうか、ということで、
昨年に引き続き、ボクがインスタント・シェフになります。
一応、衛生管理責任者の資格はありますので、大丈夫。
メニューはちょっと独創的なものになるかもしれませんが、
ぜひいらして下さい。

営業日は、7月8日、9日、15日の午後6時〜11時までです。

(facebookでは16日も営業となっていますが、
外国に行かなければいけなくなったため、
この三日間とさせてもらいます)

予約は、くしのはなに直接お電話で!
042-480-6570 (午後6時〜11時まで)

そしてボクは、
7月16日から20日まで、ある国に行ってきます。

そうそう。
7月10日は、MXTVの「5時に夢中」に出演します。
お時間ある方はご覧下さい。

当アトリエでやっている毎週火曜日の夜の講座
「星の王子様を原書で読む会」(第1、第3火曜)
「ハリーポッターを原書で読む会」(第2、第4火曜)
それぞれ空席があります。
興味ある方はメール下さいね。

今月も盛りだくさんだ!

プロフィール

ドリアン助川

Author:ドリアン助川
物語をつづり、詩をうたう道化師です。

ライブ・公演情報
7月23日(日)
まちジャム
多磨全生園

7月29日(土)30日(日)
星の王子さまミュージアム(箱根)
近刊
「星の王子さま」(皓星社)
「バカボンのパパと読む老子」(角川文庫)
「バカボンのパパと読む老子 実践編」(角川文庫)
「海の子」(ポプラ文庫)
「ピンザの島」(ポプラ文庫)
「坂道 〜Les Pentes〜」(ポニーキャニオン)
「あなたという国 ニューヨーク・サン・ソウル」(新潮社)
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