明日は選挙ですが・・・

人に実りを与えるのは、大言壮語や意思表明ではない。
そんなものは天気のごとくころころと変わる。
その人がどの方角を向いて、日々どんな習慣を持つのか。
これにつきる。これこそが花や果実をもたらす土壌となる。

政治もまた同じ。
選挙前に政治家が口にする、降ってわいたような言葉はあまり意味を持たない。
どの方角を向いて、どんな習慣を持つのか。
政治家のそこを見て、判断しなければいけない。
では、政治家の習慣はどこに現れるのか。
それは、敵対する議員や記者に対する普段からのものの言い方である。

明日は天気が良くない。
それでも投票に行こう。それぞれが、それぞれの判断で一票を投じよう。

だんだん難しくなってきた。

サン=テグジュペリから母親へ宛てた手紙、だんだん難しくなってきた。
家族間の暗黙のことが代名詞で置き換わっていたりして。
あと、キリスト教の知識がないとお手上げですね。

4.           フリブール、ヴィラ=サン・ジャン 1917.5.18 金曜日
ぼくの大切なママへ

 素晴らしい天気です。昨日降ったのを除けば、ほとんど雨を見ることがないのですから!

 ボンヌヴィ婦人に会いました。フランソワ(弟)のことを教えてくれました。かわいそうな奴です。それからぼくはバカロレア(大学入学資格)に関して、すべてきちっと行っていると教えてくれました。ほっとしました。でも、ぼくの書類が送付されたかどうかを知るために、ママがパリまで手紙を書いてくれたのが無駄になってしまいましたね。ぼくはしっかりやったのだから、書類が到着したことをリヨンまで知らせておくべきでした。それを忘れてしまったのです。だけど、終わりよければすべてよしと言いますし・・・。

 昨日ぼくらは、シャルロと散歩に行きました。ぼくらが三人なので彼を入れて(3+1=4)ということです。
 パントコート(聖霊降臨の日)の週は、ルツェルンよりちょっと離れたところで、ぼくたちの年度末の瞑想会をやります。
 親愛なるママ、さよなら。心からのキスを。
                        あなたを敬愛する息子より
                              アントワーヌ


受賞しました。フランスで二冠です。

授賞式2_convert_20170922184516

みなさん、とりましたよ!
昨夜『あん』が、受賞しました。
フランスの『Les prix des lecteurs du Livre de Poche 2017』
(読者が選ぶ文庫本大賞2017)
フランスの読者のみなさんの支持を得て、
『あん』(Les délices de Tokyo)が文芸部門の1位となりました。

早急なことで、ボクはパリに向かうことができず
感謝のスピーチのみを送らせてもらいました。
この授賞式の写真も今届いたところです。

翻訳者ミリアム・ダルトア・アコーさんの名訳のおかげです。

記事も出始めました。←クリック
(http://www.livreshebdo.fr/article/les-prix-des-lecteurs-du-livre-du-poche-pour-durian-sukegawa-et-rj-ellory
(ボクはパリの会場にいなかったので、ここに出ているのは推理小説部門の作家の方のみです)

『あん』が日本で刊行されてから4年半。物語はまだ続きます。
応援して下さったみなさん、ありがとう。

サン=テグジュペリ 母への手紙(3)

3.                フリブール、ヴィラ=サン・ジャン 1916.2.21
大切なママへ

 フランソア(アントワーヌの弟)が受け取ったばかりのあなたの手紙に、3月の始めにならないとあなたが来られないと書かれていました! ぼくたちは土曜日にあなたに会えると思って、とても楽しみにしていたんですよ!

 なぜ、遅れるんですか? ぼくたちがそれを喜ぶとでも?

 この手紙、あなたのもとには木曜に届きますね。あるいは金曜日。そしたらすぐにぼくたちに向けて電報を打てますか? あなたは来てくれると。土曜の朝には急行列車で発てると。その夜にはフリブールに着くと。ぼくたちはそれならほんとうにうれしい!

 3月の始めまであなたが来ないなんて、どれだけぼくたちを失望させることか! そんなに来たがらない理由はなんですか?
 
あなたが来てくれるものだと、ぼくたちはすごく期待しています! たとえ来られないのだとしても、そしてそれがぼくたちをすごく苦しませるとしても、この手紙を受け取ったら、すぐに電報を打ってくれませんか? 少なくとも金曜の夜までには。ぼくたちの日曜日を無駄にしないためにも。 でも、きっとあなたは来たいのですよね!

 さよなら、大切なママ。心からのキスを。あなたを待ちこがれて。

                        アントワーヌ

追伸:ぼくたちの日曜日を滅ばさぬよう、この手紙を受け取ったら即、電報を下さい。少なくとも金曜日の夜には返事が必要です。
 

サン=テグジュペリ 母への手紙

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今日からボクのこのサイトでは、『星の王子さま』の作者であるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの手紙を翻訳して、お届けしようと思います。これまでのようにボクの活動の情報も混ぜていきますが、情報だけですとFacebookと変わらない構成になってしまいますので、これまでどうしようかなあとずっと考えていました。

自分の仏語の勉強もかねてです。細かいところで誤訳もあるかもしれません。大意は間違えないように努めますので、アントワーヌの人となりを味わっていただければ、訳者として幸いです。

(アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ 1900.6.29 〜 1944.7.31)

1.
ぼくの大好きなママへ               ル・マン 1910.6.11 (9歳)

 ぼくは万年筆を手に入れました。それでママに手紙を書きます。とてもいい感じです。
 明日はぼくの誕生日です。エマニュエルおじさんがぼくの誕生日に腕時計をくれると言いました。
 それなので、明日がぼくの誕生日だと
 (誤訳しました:近いうちにぼくの誕生日が来ると)おじさんに手紙で伝えてもらえますか?

 次の木曜日、ノートルダム・デュ・シェーヌ寺院に巡礼の旅(遠足)があります。
 学校のみんなと行きます。
 天気はとてもわるいです。ずーっと雨が降っています。
 ぼくはいただいたすべてのプレゼントをかざって、とても美しい祭壇をつくりました。さよなら。

 最愛のママ、ぼくはすごくママに会いたいです。
                           アントワーヌ

 もうすぐ、ぼくの誕生日だからね。
プロフィール

ドリアン助川

Author:ドリアン助川
物語をつづり、詩をうたう道化師です。

ライブ・公演情報
11月4日(土)5日(日)
「星の王子様と道化師の惑星」
Eggman Tokyo East
YEN TOWN FOOLsとの合同公演です。
近刊
「星の王子さま」(皓星社)
「バカボンのパパと読む老子」(角川文庫)
「バカボンのパパと読む老子 実践編」(角川文庫)
「海の子」(ポプラ文庫)
「ピンザの島」(ポプラ文庫)
「坂道 〜Les Pentes〜」(ポニーキャニオン)
「あなたという国 ニューヨーク・サン・ソウル」(新潮社)
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